売上前年比452%!リテール営業部隊の立ち上げ責任者が語る、成長の裏側とこれから
JOB&CULTURE
こんにちは。採用広報の仁尾です。
オルビスは創業時からD2C(エンドユーザーであるお客様への直販)を中心としたビジネスモデルを柱としており、2018年のリブランディング以降も順調に成長を続けています。
そしてさらに、昨今、新たな事業成長の柱として存在感を増しているのがBtoB(直販以外のチャネルを通してオルビスの商品を販売する)事業です。取引先は、化粧品専門店やバラエティショップ、ドラッグストアといった「オフライン(対面販売)チャネル」に加え、Amazonや楽天市場などの「オンライン(EC)ショップ」にまで拡大。
今回着目するオフラインチャネル=リテール営業部隊は、2022年から2023年にかけての売上高前年比は452%、2024年1月から7月までの累計売上高も前年比390%と飛躍的な伸びを見せています。オルビスにとって、新しいお客様と出会うための機会開拓へのチャレンジともいえるBtoB事業。リテール営業部隊の立ち上げから現在まで中心となって活躍してきたのが、2021年にオルビスに中途入社した、BtoB事業部オフライン営業グループ・グループマネジャーの岡部誠さんです。
「オルビスにおけるBtoB事業は、これまでの直販モデルとはまた違った面白さやポテンシャルを秘めています」と話す岡部さんに、成長の背景や仕事のやりがい、そして今後の展望について聞きました。
コロナ禍を経た「リアル需要」を追い風に、急成長したBtoB
――まずは、岡部さんが取り組む具体的な仕事内容について教えてください。
主にドラッグストアやバラエティショップ、大型ショッピングモールなどへの営業活動を行っています。一般的に外部販路といえば、Amazonや楽天市場といったECサイトも含まれます。そうしたオンラインを担うチームもいますが、私はリアルな店舗であるオフラインチャネル(リテール:一般小売)を担当しています。
業務の内容は幅広く、取引先に商品を紹介するセールスに加えて、店頭で使う販促物の企画や制作、マーケティング戦略の立案、さらには新商品開発に参画することもあります。
――売上高前年比452%はインパクトのある数字ですね。この急成長の背景には、どのような要因がありますか?
この成長には大きく3つの要因があると考えています。
1つ目は、コロナ禍が明けた後のリアルな体験に対するニーズの高まりです。当社が取引しているショップでも、他社商品を含めコロナ禍以降の業績が好調だったと聞いています。
2つ目は、既存の直販顧客と重ならない、新規顧客層の開拓ができたことです。現在、BtoB事業部の売上全体の約半数を占めているのがピンクのヘアケアシリーズ(『エッセンスインヘアミルク』以下、ヘアミルク、『エッセンスインヘアマスク』『トリートメントヘアウォーター』)です。
ヘアミルクがSNSで話題になり始めたタイミングを逃さず、迅速に売り場を開拓しました。これにより、ヘアミルクで初めてオルビスに興味を持っていただけたお客様が、直営店やECサイトに足を運ばずとも、身近な店舗で気軽に手に取っていただける購入場所をご提供できたことが成功の要因です。
最後は、オルビスの知名度と品質の良さを活かせたことです。普段ドラッグストアを利用される方の中には「オルビスを一度使ってみたい」と潜在的に思っていたお客様が多数いらっしゃったのだと思います。オルビスというブランド名を出すだけで手に取っていただきやすい。これは他社にはない強みだと感じています。
前職で感じた、オルビスBtoBの“もったいなさ”と可能性
――岡部さんは、2021年に中途採用で入社する前も、いくつかの化粧品会社を経験されたそうですね。オルビスの商品にはどういった印象を抱いていましたか?
ドクターズコスメや外資系コスメブランドで営業を経験してきましたが、そのときからオルビスには注目していました。仕事柄、昔からいろんなブランドの商品を使うのですが、オルビスの商品は、品質が高く、コストパフォーマンスにも優れていて、「商品力の強さ」を感じていました。
でも、だからこそ「もったいない」とも思っていて。他社にいた頃、取引先のショップでオルビスの取り扱いがあったのですが、目立たない場所に置かれていたんです。ブランドの魅力が十分に伝わっていないように感じて、その時、「もっと良さが伝わる方法があるのでは?」と思ったのを覚えています。
そうした経験もあって、いまはブランドイメージを維持しながら、オルビスの良さを最大限に活かせる効果的な店頭展開を目指しています。
――岡部さんは入社後、イチからBtoB事業部のリテール営業部隊を作られたそうですね。立ち上げ当初は苦労も多かったのではないでしょうか。
2021年9月の入社時、BtoB事業のオフラインチャネル(リテール営業)に専任者はおらず、私が専任で関わることになりました。オルビスは長年、直販を中心に成長してきた会社ですから、社内でBtoB事業への理解を得るのは簡単ではありませんでした。
当時は社内の9割以上の人が直販に関わる仕事をしていたので、一般流通に対する関心や期待があまり高くなかったんです。リブランディングに取り組み、ブランドイメージを確立しようとしている中で、BtoBでの展開がブランドイメージを損ねる可能性があるのではないか?という声を聞くこともあり、長年セールスに携わってきた私自身も正直「これは想像以上に難しいかもしれない……」と、複雑な気持ちを抱える日もありました。
――どうやって、そのような状況を打破したのでしょうか。
今後のオルビスにとって非常に重要だ、という確信を持ち続けていたことが大きかったです。2018年のリブランディング以降の展開について、一般消費者に対しては十分に浸透しているとは言えませんでした。
ひと昔前の「通販会社」というイメージで止まっているお客様はまだ一定数いらっしゃる。だとしても、知名度が十分にあり、高い商品力があることを活かせば、一般流通でも十分に競争力がある。直販では届かない新しい顧客層に必ずアプローチできると思っていたので、なぜBtoB事業が必要なのか、社内への啓発活動を続けました。
はじめは私だけだったので「1人で5億円の売上を作ったら人を増やしてほしい」と上司に交渉し、実際に成果をあげて人員を確保してチームを作ってきました。
BtoBは直販と共存できる。事業を推進する信念
――そうした環境下で、現在の急成長につながる転機はなんだったのでしょうか。
2022年9月にイオンで『クリアフルシリーズ』の展開が決まったことです。ラインナップのほぼすべてを、それも専用の売り場で取り扱っていただくことになり、ここで社内の認識が変わり始めました。
さらに決定打となったのが、主にSNSでの反響をきっかけとした2022年からの『エッセンスインヘアミルク』の大ヒットです。直販のお客様とは異なる新しい顧客層を獲得したことによって「BtoB事業は直販と共存できる」「むしろ高め合える」という認識も広がっていきました。
――入社して3年が経過しましたが、岡部さんはオルビスのBtoB事業の中心にあって、どんなやりがいを感じていますか?
これまで勤めた企業では、世界全体やアジア圏で決まっている方針に則って動くなど、個人の努力では動かせない部分が多くありました。ですがオルビスは、事業計画の立案から実行まで一貫して携わることができます。
BtoB事業部のことを「小さな社長が集まっているようなチーム」だと感じています。それぞれが大きな業務責任を持ち、メンバーは自ら考え、提案し、実行する環境があるんです。非常にやりがいになりますし、自身の成長にも大きく寄与している実感があります。
「スキンケアのオルビス」を店頭でも。BtoB事業の次なる一手
――今後、BtoB事業が注力していく新たな取り組みがあれば聞かせてください。
2024年9月13日に新たなエイジングケア(※1)シリーズ『ORBIS SHOT PLUS(オルビス ショットプラス)』 (以下、『オルビス ショットプラス』)を発売しました。これは直販ではないBtoB専売で、エイジングケアシリーズという、オルビス史上まったく新しい試みであり、お求めやすい価格帯でありながら、オルビスならではの高品質を体験していただけます。全国のマツモトキヨシグループ、ココカラファイングループの店舗(一部店舗を除く)及びAmazonにて販売開始し、今後展開を広げていきます。
(※1)年齢に応じたお手入れのこと
私は『オルビス ショットプラス』のタスクフォース(※2)リーダーも担当しているのですが、まだオルビスと接点を持てていないお客様が『オルビス ショットプラス』を通じてオルビスに出会い、一人でも多くの方の「美しくなりたい」という想いを実現し、オルビスを身近な存在として寄り添っていけるように考えました。
化粧品購入チャネルの上位86%がドラッグストア・ECプラットフォームというデータ(※3)もあります。オルビスを使ってみたいけれどこれまで手が伸びなかったという方々に対して、長年培ってきたスキンケアの知見を届けられる商品だと考えています。
(※2)各部門から集まった少人数のプロジェクトチーム
(※3)22年のインテージSLI®︎(全国女性消費者パネル調査)を元に当社が独自で分析したデータ
――BtoB発の新商品が誕生したわけですね。BtoBオフライン営業グループとしての今後の展望についても教えてください。
まずは、仲間を増やしたいですね。まだ若い、社内スタートアップのようなチームなので、自らやるべきことを探し出し、自分の言葉でその背景まで伝えられる人、与えられた仕事をこなすというよりも積極的にチャレンジできる人を求めています。
また、営業だけをするのではなく、販促からPLまで全体に関わります。裁量の大きさやさまざまな知見、経験が得られることを魅力に感じてくれる人が向いているのかなと思います。
今のBtoB事業のオフラインチャネルは、ヘアミルクやUVケア商品が牽引していますが、今後は「スキンケアのオルビス」という本来のイメージを店頭でもしっかり構築していきたい。『オルビス ショットプラス』は今後のオルビスを決める第一歩です。プレッシャーもありますが、オルビスが培ってきたスキンケアの強みをBtoB市場でも十分に発揮して、直販とBtoBの両輪で、より多くのお客様に価値を届けられるよう努めていきたいです。
取材・文:木内アキ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
オルビスでは現在、一緒に働く仲間を募集しています。少しでも興味をお持ちいただいた方は、ぜひこちらからご連絡ください。
皆様のご応募、お待ちしております!
※本記事内容は、公開日(2024年11月13日)時点の情報に基づきます。
Profile
岡部 誠(Okabe Makoto)
ドクターズコスメ、外資系コスメブランドなどを経て2021年に中途入社。2024年1月からBtoB事業部のオフライン(リテール営業)のマネジャーを経て、2024年11月からBtoB事業部の成長基盤強化に向けて、オフライン営業グループのグループマネジャーに就任。代理店を通じたドラッグストアやバラエティショップなどの一般流通に対する営業責任を務める。2024年9月に発売『オルビス ショットプラス』のタスクフォースリーダーも兼任する。