お布団を干す朝 haru.×小谷実由【後編】
月曜、朝のさかだち
『月曜、朝のさかだち』第12回目のゲストには、モデル、文筆家の小谷実由さんをゲストにお迎えしています。太陽の光が降り注ぐなか、屋上でお布団を干した二人は、幅広く活動する小谷さんのキャリアの原点とも言えるモデル活動を始めたきっかけや、服好きの小谷さんがスタイリングで大事にしていること、この夏に挑戦したいスタイルなどについてお話しいただきました。後編では小谷さんがホストを務めるPodcast番組『おみゆの好き蒐集倶楽部』を始めたきっかけや「好き」で人と繋がること、自分のほぐし方についてお話しいただきました。
人の「好き」を集めること
小谷実由(以下:小谷)今回プロフィールを送ってほしいって言われて、「プロフィールって何?」って思った。どんなこと書けばいいんだろうと思って、いろんな人のを見たけど、そんな輝かしいこと何もないなって思って自信を失うんだよね(笑)。
haru._受賞歴がある人のを見るとね(笑)。
小谷_受賞歴で全部埋められる人とか、出版した本だけで埋められる人とか憧れるな。
haru._わかります。受賞する機会とかまじでないから…。
小谷_トロフィーとか持ちたいよね。受賞スピーチで「まずは私の家族、友だち、支えてくれた人に〜」って言いたいよね(笑)。
haru._おみゆさんも練習してるんだ(笑)。『月曜、朝のさかだち』の写真を撮ってくれているmiyaも「受賞したときのスピーチはいつでもできるようにしてある」って言ってる(笑)。
小谷_いいところで泣くんだよね。ちょっと言葉に詰まって(笑)。やっぱりそういうモチベーションが大事だから。
haru._私たちみたいな仕事って何か応募するものないですもんね。
小谷_何かの枠で1番になることとかあまりないじゃん。これからあるかもしれないけど。
haru._私は戦うことをすごく避けてきた人生な気がします。
小谷_私も競争が苦手で今の形になってると思うから、何かを受賞したいなんてお前が言うなよって感じだよね。
haru._自分で自分の授賞式をするのは?おみゆさんってそういうイメージがあるんですよね(笑)。自分の好きなものに対しての愛情を発信されてるじゃないですか。自分の好きという気持ちを、とっても受け入れているというか。それって授賞式みたいな感じに思える。だってPodcastの名前も『おみゆの好き蒐集倶楽部』*ですもんね。
小谷_はい。来てくださるゲストの方の「好き」について私がお話を聞いて収集しているんです。そもそも私は何かを集めるっていうこと自体が好きなんです。
haru._番組を始めて1年ちょっと経って、だいぶ収集したと思うんですけど、そもそもなんで人の「好き」を収集しようと思ったんですか?
小谷_私の活動として、普段からSNSやいろんな場所で自分の好きなものを発信することが大きくあると思っていて。好きなものがあることで、私は今まですごく救われてきた。あるとき「好きの見つけ方がわかりません」って言われたことがあって。私は子どもの頃から好きなものがはっきりしていたから、好きなものは常に自分で見つけることができていたんです。でも、どうやって見つけてきたかって聞かれるとわからなくて、その問いに答えられなかったことがすごく悲しかったの。私が答えられなかったことで、その問いを聞いてくれた人は、これからも「好き」を見つけることができないかもしれないって思ったら、すごく嫌だったんだよね。好きなものがあると、日常にたくさんのきっかけが生まれるということを知ってほしかった。そのために自分の「好き」を発信することはしてきたけど、それだけじゃ少し限界があるなと思ったし、個人的に人の「好き」についてもすごく聞いてみたいと思っていた時期でもあって。
コスメ好きの友達がいても、なんでコスメが好きなのかとか、どうやって出会って好きになったのかってなかなか話さないじゃない。こんなによく会ってるのに、この子はコスメを手に取ったときにどんな気持ちになってるんだろうっていうことを知らないなと思って、すごく聞きたいと思ったの。好きなものに出会う過程や、それに触れてるときにその人がどういう気持ちになっているのかを発信することで、誰かの「好き」を見つけるヒントになるんじゃないかなと思って始めました。
haru._さっき、おみゆさんがモデルになったきっかけの話をしてくれたじゃないですか(記事の前編)。そのときも子どもの頃に服がめっちゃ好きだったっていう話になったけど、その人の「好き」を深掘りすると幼少期の頃のその人や思い出まで知れますよね。
小谷_そうそう。そういう番組をやりたいっていうのを友達と一緒に企画書を作って、その頃にお世話になっていたJ-WAVEのスタッフさんに話を聞いてもらい、一緒にやることになりました。
haru._それも「好き」のパワーですね。
小谷_そういうものが番組として成立するんだろうかってすごく不安だったけど、やっぱりSNSが普及して誰でもそういうことを発信できるようになったからこそ、改めて番組として作ってもらえたんだろうなって思う。自分がすごくやりたいって思ったことをこうして形にして大きな会社に営業しに行くなんて、モデルになるために自分で履歴書や写真をまとめて出したとき以来だからすごく緊張した(笑)。でも心からやりたいって今までで一番強く思っていたことだからこそ、勇気を出してやってみようと思えたんです。
haru._音声メディアって、文字で読むよりも入ってくる情報がすごく多いですよね。
小谷_声色や話すスピードで感じてもらえるものもきっとあるよね。
haru._すごくあると思います。話してないものにこそ、すごく滲み出ちゃうものがあるなっていうのを、この番組もだし、Podcastをやっていて感じています。おみゆさんの声もPodcastを始めたことで初めて聞く人も多かったんじゃないですか?
小谷_そうかもしれないですね。モデルの仕事やSNSの更新がメインだと、見た目の方が多く世に出て知ってもらうことが多いから、それもあって声を届けることはドキドキしたし、喋ることはすごく好きだけど今でも緊張する。
haru._わかる(笑)。ゲストが来る回に、収録後「大丈夫だったかな?」って考える(笑)。
小谷_私も毎回収録が終わって、家でお風呂に入ってるときに「今日大丈夫だったかな…」って一人反省会をしてる。
haru._私は自分でやってるPodcastは全部自分で編集してるから、毎回もう1回聴くんですよ。そのときにツッコミどころが多すぎて「お前はなんでここでもうちょっと深掘りしなかったんだ」とか「もうちょっと突っ込んで聞け!」っていうのを毎回やってます。
小谷_その時の自分のテンションとかも声に絶対出るじゃん。何も隠せないよね。顔とかだったらどうにか取り繕えるかもしれないけど、声って本当に嘘つけないなって感じています。
haru._だからこそおみゆさんの好きなものに対しての真摯な気持ちがちゃんと伝わっているんじゃないかなって思います。
小谷_そう言ってもらえると報われます。
haru._おみゆさんが「好きを集める番組を始めます」って言ってたときに、私も「好き」がわからない側かもって思ったんです。好きなものがあっても、自覚がないことが多くて。
小谷_自覚しなくてもいい「好き」もあると思うし、絶対に自覚しなきゃいけないとも思ってない。だけど何か理由があってもいいなって思うんだよね。好きな理由があればあるほど私はいいなと思っていて、その物事をもっと深く考えるきっかけになるのかなって感じてる。
haru._好きなもののルーツを調べていくと、どんどん扉が開いていきますよね。
小谷_私は子どもの頃に音楽を好きになって、そこからファッション、映画、インテリアと、一つの「好き」からどんどん派生して好きなものが増えていったの。そういうことって他の人にもあるのかなって思ったときに、好きになる過程を聞いてみたくなったんです。それに人が好きなものを話してるときの表情がすごく素敵。目がキラキラしたり、真剣な顔だったり、そういうものを見れると、もともとすごくよく知っている人でも新しい一面を見れているなって思うんです。初めましての人でも一気に距離が縮まったりするし、いろんな素敵な作用があるなって思います。
「好き」の見つけ方、守り方は人それぞれ
haru._私はコロナ禍にK-POPにハマって、そこからオタクになったんです。それまではいろいろ好きなものはあったけど、オタクってライブに行ったり、グッズを買ったりと明確な活動をしているので、その姿を見てmiyaは、私の好きなグループに感謝していました(笑)。
小谷_きっと新たなharu.の一面が見れたからだろうね。
haru._たぶん私が生き生きとしてることを喜んでくれているんです。だから、自分ではあまり意識していなかったけど、周りにいる人に対しても「よかったな」っていう気持ちにさせることもあるんだなって思います。
小谷_共有とまではいかないけど、好きなものと触れ合ってるときのエネルギーが別の人にもいい作用を起こしていることはあるかもしれないよね。
haru._それをきっかけに、好きなものがある状態の自分でいようと思ったんです。それが結果として自分たちがやっているいろんなプロジェクトにもいい影響を及ぼすだろうと思っています。なのでちゃんと好きなものを意識して、口に出したりすることも一つ大事なことだなと。おみゆさんも音楽が好きだと思うんですけど、バンドとかミュージシャンってある日突然活動休止したりするじゃないですか。建物でもそうですけど、ずっと続いてきた古き良きお店が突然なくなってしまったりする。好きっていう気持ちを自分の中に秘めていることも素敵だけど、おみゆさんみたいに発信することでその存在が保たれていくこともすごくあるんだろうなって思っています。
小谷_その話で言うと、私は一番に喫茶店のことを思い浮かべる。でも、私が好きな喫茶店の話をすることで、何か迷惑をかけてしまったらどうしようという気持ちもいつも持ち合わせていて。今の状態で満足していたのに、私が発信したものを見てたくさん人が来て、そのお店のペースを崩してしまったらどうしようって思うけど、好きだから知ってほしいという気持ちもある。その塩梅が難しいと思っているんだけど、それでも好きなお店が少しでも長く続いてくれたら嬉しいなと思ってる。
haru._その塩梅って難しいですよね。
小谷_必ずしもたくさんの人が来てくれることを望んでいるお店ばかりではないから、すごく悩む。でも私自身、「紹介していた本を読みました」とか「いつもInstagram見てます」っていう言葉に生かされている部分がすごくある。そういう言葉がある限り、私は頑張りたいなって思える。
haru._意外とみんなすごく気を遣ってメッセージを送ってきてくれたり、むしろ送らないことも多いじゃないですか。Instagramのストーリーズで私をメンションしてくれたりすると、それをリポストするんですけど、そうするとその後にメッセージがドワっと送られてくることがある(笑)。
小谷_「まさか見てもらえているとは!」っていう気持ちなんだろうね(笑)。私も憧れている人にメッセージを送れるかって言われたら、緊張しちゃうし、「私なんかの言葉など…」みたいに考えちゃう(笑)。だけど受け取る側としてはすごく嬉しいし、感謝の気持ちでいっぱいだし、それがすごく力に繋がりますよね。
haru._特にモデルさんの仕事って、自分の発信ではないじゃないですか。ブランドや企業が見せたい世界の一部に自分がなってる。それを見た人たちが何を感じたのかって知る機会ってあんまりないですもんね。
小谷_直接会う機会もそこまでないから、たまにトークイベントに出たりとかするけど毎回不安で、3人来てくれればいいかって思ってる。毎回ドキドキしてるけど、そうやって直接言葉を交せる機会は毎回感動しちゃう。夢だったんじゃないかって何度やっても思わされるね。
haru._少し話が戻っちゃうんですけど、私がやってるPodcastのリスナーさんに喫茶店がすごく大好きな方がいて。好きな喫茶店がなくなっちゃうっていうタイミングで、自分が店長としてお店を継ぐっていう決断をした人がいるんです。その方がいたから、今もその場所にその喫茶店がある。
小谷_素敵な守り方だよね。「好き」という思いで受け継ぐから、きっとそこにあったものをちゃんと守っていこうって思ってるじゃん。だからこそ、前から来ていた人も安心して足を運べそうな気がする。
haru._受け継がれ方ってめっちゃ重要ですよね。
小谷_名前は一緒だけど、中身は別物とか、そういうショックの受け方もあるしね。
haru._家族だからとかじゃなくて、その場所を好きだった人が引き継いでいけたら素敵ですよね。何かを好きになったときに、これをどうやって守っていけるのかっていう気持ちにはすごくなる。ポジティブなエネルギーに包まれることもあるけど、好きになってしまったからこその責任感みたいなものも同時に感じてしまう。
小谷_それもすごく誠実で素敵だと思う。私の友達にアイドルをいいなと思っても、全部知らないと好きって言えないっていう人がいて。「全部のコンテンツを見て、全部の曲を聴いてからじゃないと私はこのグループのファンを名乗れない」って。それはすごく誠実だし、一つの形としてすごく素敵だなって思う。楽しみ方とか向き合い方って人それぞれだから、その人の納得のいく好きのなり方がある。いろんな「好き」があっていいんだって思ってもらえるように、いろんな「好き」を私の番組で紹介していきたいなって思ってる。
haru._それを深掘りするとその人の像が見えてきますね。
「同じでいて良い部分と、変化が必要な部分がきっとある」
haru._ゲストに毎回、凝り固まってしまった自分の心や身体をどうほぐしているのかを聞いているんですけど、私はおみゆさんのことですごく印象に残っていることがあるんです。以前一緒にトークイベントに出たときに、おみゆさんが楽屋で台本を読んでいたんですけど、その台本には赤いペンでびっしりいろんなことが書かれていて、すごくびっくりしました(笑)。私は台本を全然読まずに現場に入っていたのに、おみゆさんは楽屋でも更にメモを書き足していたんです。そのときも「準備万端にしておかないと不安」って言っていたんですけど、準備をすることが自分をほぐすことだったりするのかなって思いました。
小谷_基本的に心配性なんですよね。予想しないことが起こったときに、最低限自分の納得いくパフォーマンスができるように、いろんなケースを想像したり、準備したりする。必ずしも準備したものが全て本番で出し切れるわけではないんだけど、準備をすることで「大丈夫だ」っていう気持ちに持っていける。あのトークイベントでは、来てくれた人のお悩みを事前に集めて、お答えしたんだよね。一回自分の中で考えてみて、適切でわかりやすい答えをまとめたいなと思ったんだと思う。自分が長く話してると、時間に限りもあるからharu.の話が聞けなくなっちゃうのもいやで、私は私の持ち場を全うすべくっていう気持ちだった。
haru._わかります。でも喋っていて、ゲストが変化球を投げてくるときってあるじゃないですか。準備したもののなかに入ってなくて、萎んじゃうこともある。だから私は変化球が来ても対応できるように、あまり自分のなかで組み立てすぎないようにしています。
小谷_私もガチガチに準備していたのに、変化球が来てやばい!って思っちゃったことがあるから、今はとりあえず一回リハーサルをしている感覚。これを言ってもいいし、言わなくてもいいなっていうのを頭のなかで整理してるんですよね。ガチガチに準備したり、台本にみっちりメモしたりするけど、それは自分のなかでパッと思い浮かんだことを忘れないようにメモしてるっていう感じ。私にとって準備は、「過去の自分はこういうことを考えてたよ」っていうボールを本番中に投げてくれるみたいな存在。それがすごく安心するし、リラックスした状態で臨める。
haru._おみゆさんはどんなときに強張ってるなって感じますか?
小谷_初めてやることとかかな。初めてやることって、準備できることをやっても、想像できないからわからないままじゃん?わからないなりにやるんだけど、そういうときは普段よりも「大丈夫」って思えることは少ない。
haru._おみゆさんとの朝活は馴染みのある場所でお布団を干したので、そんなに緊張感はなく、最初からほぐされた感じでしたね。
小谷_1個だけドキドキしてたのは、こういうおしゃべりをするときって、事前に何を話すのかを知っていないと不安になっちゃうからいつも聞くの。だけど何回も話したことがあるharu.だから大丈夫だろうなと思って、今日は準備せずに来るっていう新たな試みだった。
haru._事前に台本をお送りせず、おみゆさんが来てくれたときに「こんな話をしませんか?」っていう提案をしました。
小谷_haru.だったから空気感や考えてることもなんとなくわかってくれているだろうっていう信頼もあったので、大丈夫でした。実際にすごく普通に喋れているし、すごくいい時間が流れてる。でもこれはharu.だから大丈夫だなっていう感じなので、準備したい気持ちは変わらずです。でもここは、自分をコントロールできてない姿をみたいっていう番組だもんね。まさに今の状況かなって思う。
haru._私はおみゆさんがしっかり準備をして一つひとつに誠実に向き合おうとする姿勢を知っているけど、準備段階の基準や前提って人それぞれ違うし、初めましての人だと全然わからないじゃないですか。ぶっつけ本番でいいでしょ!って人もいるし、そういう全然違うことにびっくりしちゃうことがあるんです。「私はここまでやりたいのに、なんでそこを無視するの?」っていう気持ちになっちゃうときがあって。そうなると「この人とは無理かも」ってすぐに思っちゃうんです。でもチームワークが大事だから、「この人はここが大事なんだろうな」っていうのをだんだん掴めてきて、進んでいけるっていうこともある。最初から最後までチームのみんなが同じものを大切にして進むことができる場合もあるけど、そうじゃないこともある。きっとおみゆさんの方がそういうことがあるのかなって思うんですけど、どう折り合いをつけたり、コミュニケーションを取っていたりしますか?
小谷_すごくマシにはなったけど、私も結構頑固で極端な性格なので、嫌なものは嫌!っていうタイプだったんだけど…。この仕事をしていると初めましての人も多くて、現場に行ってその人のことを知ることも多いから、結構ドキドキする。でも経験を重ねていくうちに、こういうときにはこうしようっていう考えが自分のなかで備わってくる。乗っかれそうだったら、「やったことないけどやってみよう」っていうのは最近はできるようになってる。それは新しい自分に出会えるきっかけにもなるかもしれないから。自分のやり方やベストパフォーマンスとか、そういう確信みたいなものも大事にしていきたいけど、それだけをずっとやっていたら、ずっと同じ自分な気がして。同じでいて良い部分と、変化が必要な部分ってきっとあるから、いい機会だしやってみようかなって思ってる。「ダメだったらもう絶対やんない」くらいの気持ちで立ち向かってるかな。でも学ぶものが必ず一つはあるから、無駄なことじゃないなって思ってる。
haru._長年活動を続けてると、自分の大事なものも見えてくるじゃないですか。それを必死に守ろうとしてしまう自分がいる。業界の様子がわかってきて「そのなかで自分はこれを絶対大事にしたい」っていう核みたいなものができてきていて。大事なことだけど、自分の柔軟性がすごく凝り固まってきているなって最近感じることが多くなってきました。
小谷_絶対に守らなきゃいけないものとか、何かあっても絶対に譲れないものはあっていいと思う。でもそればかりになってしまってはダメだなって私は思っていて。だから絶対に譲れないもの以外は、「とりあえずやってみるか。ダメだったら、譲れないものリストに追加すればいいし」って思ってる。まだどっちかわからないみたいな項目に関しては、一回実践してみることで、できることも増えていくかもしれないし、確信できるものも増えていく気がする。そうすることで、自分が少し大きくなれる気がします。
haru._自分がすごく守らなきゃいけないと思っていたことも、それはちゃんと守られていて、実は誰からも奪われてないみたいなことって多いですよね。試しにやってみようっていう気持ちも大事にしよう。
小谷_やれるときでいいと思う。無理矢理頑張ってやる必要は全然なくて、やっぱり楽しいとか、自分がすごくヘルシーな気持ちで大事なものに向き合える状態でいることが一番大切。その時間が精神状態的にすごくいいなって思う。
haru._おみゆさんを見てると、自分の好きなものを好きって思える状態を保っていたいなって思います。でもいろんなものに余裕がないと好きなこともできなくなるから、一つの目安として覚えておきたいなって思います。
小谷実由 さんに聞きたいコト
視聴者さん、読者さんから集めた「ゲストに聞いてみたいこと」にお答えいただきました。今後も『月曜、朝のさかだち』に遊びに来てくれるゲストのみなさんに聞いてみたいことを募集しているので、ぜひORBIS ISのSNSをチェックしてみてくださいね!
Q.人に自分の「好き」を伝えるときどんなことを意識していますか?
A.素直に自分が感じていることを一番気持ちに限りなく近い言葉を選んで話すこと。
Q.好きな言葉はなんですか?
A.有言実行
Q.尊敬する人は誰ですか。その理由も知りたいです。
A.母親です。接客業をしているのですがとてもフラットな意識を持っていて、人のことをよく見ている且つ人のために行動する力や思いやりがすごくある人。効率的に動くことがとても上手で、効率が悪い私は毎度ダメ出しをされています(料理をするときに使ったものを片付けながら進められずに洗い物が溜まっていくのが私。使ったものを片付けながらテキパキと進められるのが母)。気持ちのオンオフの切り替えも上手そう。私は結構気持ちが地続きになるタイプなので、家でくつろいでいる時の母の顔と仕事の時の頼もしい母の顔のコントラストに羨ましさを覚えます。クールで飄々としていて、強い。かっこいい人です。
Q.いちばん心がほぐれるお菓子は何ですか。
A.ミスタードーナツ。疲れているとどうしても眠る前にミスドのことを考えてしまいます。頑張った後のゴール地点に設定されることが多いです。ストロベリーカスタードフレンチが好きです。
Profile
小谷実由(おたに・みゆ)
モデル・文筆家。1991年東京生まれ。14歳からモデルとして活動を始める。自分の好きなものを発信することが誰かの日々の小さなきっかけになることを願いながら、エッセイの執筆、ブランドとのコラボレーションなどにも取り組む。猫と純喫茶が好き。通称・おみゆ。2022年7月に初の書籍『隙間時間(ループ舎)』を刊行。4月からJ-WAVEPodcast番組「おみゆの好き蒐集倶楽部」毎週金曜日配信がスタート。