新卒入社6年目でマネジャー就任。商品の全体戦略を担うMDが語る、3年間の挑戦と成長、そしてオルビスでのキャリア

JOB&CULTURE

こんにちは。採用広報の仁尾です。
商品を直接お客様に届けるD2Cモデルを長年実践してきた企業として、オルビスはお客様との深い関係構築を大切にしてきました。その中で、商品価値の最大化とお客様のニーズをつなぐ重要な役割を担っているのがMDグループです。
今回お話を伺った割石寛之さんは、CRM統括部MDグループのマネジャーとして活躍中です。実は2022年にもインタビューを実施しており、そのときには入社からわずか2年で任せられたMD業務の裁量の大きさや、仕事の面白さについて話してもらいました。
その後の3年間でどのような経験や挑戦を重ねたのでしょうか。また、自身のキャリアから実感する若手社員に開かれている可能性についてなど、率直に語っていただきました。
『入社2年目にして販売戦略を先導するMDに。年次にかかわらず挑戦できるオルビスの成長環境とは』
視点は「単品」から「体験全体」へ。視座の変化がもたらしたもの
――前回の取材から3年が経ちましたが、割石さんの仕事内容はどのように変化しましたか?
現在はCRM統括部のMDグループに所属し、マネジャーとして働いています。3年前と大きく変わったのは担当領域ですね。以前はスペシャルケアカテゴリのアイテムを担当していて、新製品計画を立案したり、販売施策を検討するのが業務でした。
今はマネジャーという立場で、メンバーが検討した企画の確認や意思決定を行い、チーム全体の方向性を決めています。「オルビス全商品の販売戦略」という、より広い視点での判断が求められるようになりました。
――前回のインタビューでは、MDの仕事について「売上を最大化するために、誰に・いつ・何を・どのように提供するかを考える仕事」とお話ししていましたが、この考えは変わりませんか?
MDグループが持つ役割自体に大きな変化はないですが、私自身の捉え方は少し変わりました。以前は、担当するスペシャルケアアイテムを「どう成長させるか」という視点が強かったのですが、今はお客様のLTV(顧客生涯価値)をどう最大化していくかの観点が強まっています。
オルビスのお客様は、例えば化粧水から入り、次に美容液、その後にメイク品も購入されるといったように、カテゴリを超えてお買い物体験がつながっています。スペシャルケアは、あくまでも購買体験全体の中の一部に過ぎません。
お客様との関係性を長く、そして深く育てていくことが、結果的にお客様のより良い体験となり、会社の成長にもつながる。こうした視座の変化によって、「お客様が長期的にオルビスの商品で価値を感じられる体験をどう設計するか」を考えるようになりました。

お客様により深い買い物体験を。「3大美容液戦略」の裏側
――この3年間で、MDとして手応えを感じた仕事について聞かせてください。
「スペシャルケアカテゴリの新製品計画を立案する」というミッションの中で提案した戦略がわかりやすいかもしれません。当時、このカテゴリ内で売上を大きく保有している商品は、シワ改善・美白美容液『リンクルブライトセラム(2022年発売)』ひとつしかありませんでした。商品力は強みである一方、お客様とのコミュニケーションのバリエーションとしては限られてしまいます。お客様側からしても、「いつもこればかり提案されるな」と買い物体験として深みが出ません。
そこで、より自信を持っておすすめできる商品を増やすため、3つの柱となる商品をつくり、育成する「3大美容液戦略」を提案しました。結果的に『リンクルブライトセラム』に加えて、先行型美容液の『ベースアクティブLPセラム(2023年発売)』、美白美容液の『アドバンスド ブライトニング セラム(2024年発売)』が主力商品に成長しました。

左から、『オルビス ベースアクティブLPセラム』『アドバンスド ブライトニング セラム』『オルビス リンクルブライトセラム』
――戦略を進める上で意識されたポイントはどういう点だったのでしょう。
1本目の柱『リンクルブライトセラム』を購入している方の年齢層や、その方が同時購入されている他の商品など、私たちが持っている豊富な顧客データを分析していきました。
同時に、スペシャルケアカテゴリを購入していないお客様層も明らかにしました。「どのような特性を持ち、どのような価値を求めているのか」という点も掘り下げ、「これまで美容液を購入していない層に訴求するには、こんな価値が必要ではないか」という仮説を立てていきました。
――企画から発売まで、計画通りに進みましたか?
商品開発の過程は比較的スムーズでしたが、発売後にはそれぞれに課題が生まれました。特に2本目の『ベースアクティブLPセラム』は発売当初、想定していた売上に届かなかったんです。
そこで、発売してから1ヶ月という短期間で、私たち販売側と広告制作の担当者が一堂に会し、「どうすればお客様により魅力的に感じていただけるか」を徹底的に議論しました。すぐに広告戦略を練り直し、進行途中の広告もいったん白紙に戻して新しい方針にシフトしたんです。その結果、販売数が劇的に伸びました。
単に市場トレンドを追うのではなく、実際のオルビスのお客様の声と購買行動に基づいた戦略だからこそ、成功につながったと思います。

左:発売時の広告
右:「毛穴悩み」という具体的な肌悩み訴求にシフトした広告
D2Cが基盤にあるからこそ、発売後のリアルな数値や反応がすぐにわかりますし、改善施策がお客様に届くのも早い。また、各部署間の密なコミュニケーションが日常的に行われていることもあって、素早い方向転換が図れました。お客様との距離の近さやメンバーたちの機動力は、改めてオルビスの大きな強みだと実感しましたね。

マネジャーとして必要な力とは
――他に大きな変化として、割石さんは現在マネジメント職に就いていると伺っています。
入社当時からマネジメントへの意向は強く持っていました。その背景には「自分が考えたことを実現できる立場になりたい」という思いがあり、将来的にアイデアを実行に移すには、一定の裁量が必要だと考えていたからです。
より具体的に意識するようになったのは、MDグループに異動してからです。オルビスのMDの大きな特徴は、商品が世に出ていくプロセス全体に一気通貫で関われる点です。先ほどの3大美容液戦略のように、新製品の企画立案、発売時期の検討段階からプロジェクトに関わり始めます。商品の完成後も、予算設定や広告訴求から、具体的なコピーライティングの提案に加えて販促キャンペーンの立案まで、部署横断での動きが求められます。
ですので、MDとしての実績を積もうと考えたとき、重要視したのはMDが担う戦略立案が「絵に描いた餅」にならないことでした。より実現性の高い提案ができるようになるには、会社全体の業務内容を深く知る必要があると考え、直接業務に関係なさそうなことでも、意識的に担当部署の方に質問して、各領域の解像度を上げていきました。

越境的な視点を活かして、仕組みを描く次のステージへ
――割石さんご自身は、今後オルビスでどのようなキャリアを積みたいですか?
私の入社時の配属は、CRM統括部内のOne to Oneグループでした。ここではお客様一人ひとりの特性に合わせてきめ細かいコミュニケーション戦略を学びました。現在のMDグループは、お客様にしっかりと意識を向けつつも、商品価値の最大化に焦点を当てていく。この「お客様視点」と「商品価値」の視点を掛け合わせて、両立させるアプローチを実践しているのがオルビスの強みです。今後は両方の原体験を持っているからこそ実現できるシナジー創出や仕組みの構築に取り組んでいきたいですね。
――現在のオルビスの事業環境を踏まえ、今後どういった人材に来てほしいですか?
今はとても面白い時期だと思います。オルビスは直販事業で成長してきた企業ですが、直近ではBtoB事業も成長ドライバーになっています。ここまでD2CとBtoB事業の両方が成長している企業は珍しいのではないでしょうか。この両立があるからこそ、チャネルとしての特性を最大限活かしながら、さらに相乗効果を生み出す戦略を考えることができます。

オルビスは、入社直後からマーケティングの中心的業務に携わって実践的な仕事に取り組めるため、マーケターとして早期に成長を遂げたい方にとっては、熱意を持って働ける会社だと思います。
大手化粧品会社のように大々的なマス広告を打つような施策がメインではないので、華やかな喜びは少ないかもしれません。ですが私は、マーケティングを通じて実質的な価値を生活者に届けること——つまり、お客様の声に基づいて施策を実行し、満足や喜びの声を聞けることがマーケティングの本質ではないか、と思っています。そういう意味で膨大な顧客データを持ち、お客様から直接声をいただける機会も多いオルビスは、とても面白い環境ではないか、と。
お客様との関係性はもちろん、社内においても部署間の壁が低く、ともに価値を創り出す風土がオルビスにはあります。人と人とのつながりを大切にしながら、一緒に働ける仲間が増えるのを楽しみにしています。
Profile
割石 寛之(Wariishi Nobuyuki)
大学院卒業後、2019年にオルビスに新卒入社。既存顧客に対するOne to Oneのメルマガコミュニケーションやキャンペーンの立案などを担当。入社2年目からコミュニケーション推進グループコミュニケーション戦略担当として全体MDを兼任、主に顧客向けの販売戦略などを担当。その後CRM統括部MDグループに異動し、スペシャルケアカテゴリーの担当を経て、現在はMDグループのマネジャーとして販売戦略立案から実行までを指揮している。
取材・文:木内アキ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
オルビスでは現在、一緒に働く仲間を募集しています。少しでも興味をお持ちいただいた方は、ぜひこちらからご連絡ください。
皆様のご応募、お待ちしております!
※本記事内容は、公開日(2025年6月6日)時点の情報に基づきます。