2024.12.16

わたしたちのここちよさと向き合う|働く女性たちの対話会での気づき

PROJECT

SUSTAINABILITY

 ORBIS

ことなるフィールドで、それぞれの価値観を大切にしながら、仕事に育児に趣味にと奮闘する女性たち。たまには立場や役割を脱いで、知らない人と対話をすることで、自分の本音に気づいたり、少しだけ励まされたりする機会を作れないか―― とある外部イベントで出合った、オルビス株式会社(以下、オルビス)と東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)の共通の想いから実現した女性社員対話会を、2024年11月19日(火)に「SKINCARE LOUNGE BY ORBIS」にて実施しました。

対話会に参加したのは、計15名(20代~50代)の女性社員たち。年代や現在のライフスタイルなどに合わせて3つのグループに分かれ、「ここちよい人生の過ごし方」をテーマに対話をしていきます。初対面にも関わらず、集合してすぐにお互いの意外な共通点をみつけて盛り上がる様子も。進行役が「あれ、もう始まってるの?」と驚くような和やかな雰囲気でスタートしました。

本記事では、会の様子や参加した社員たちの対話の内容をお届けしていきます。


仕事、家庭、プライベートの“じぶん”

あるグループでは、「周りに合わせてキャラクターや役割を演じていて、実際の自分とのギャップに疲れてしまう」という話に。「母の自分、仕事での自分、本当の自分の距離が遠いとだんだんつらくなってしまう。どの瞬間も、できるだけ素の自分に近い状態でいたいと思うようになった」という一言に、共感の声が集まります。

「仕事に対する姿勢も変わってきて、頑張って何かを手に入れるとかじゃなくて、得意なことを伸ばすとか、自分にとってここちよい働き方でいられないかな」という、自分のライフスタイルと仕事の関わり方を見つめ直したエピソードも話されていました。

「結婚して家庭のことをやりながら、仕事をする体力も必要で。何かを削りながら過ごしているのかな」とこぼした人に対して、「そう、本当にわかる!」と周囲からは大きくうなずく姿が。家事をやらなくちゃ、と時間に追われていたけれど、それは実は自分のこだわりで、ちょっと後回しにしても実際はあまり影響がなかったことに気付いたエピソードを話してくれました。「どうにか生きているからいいか」――そんな考え方ができるようになったら、少し楽になったようです。晴れやかに語りながら、さらに同僚の印象深いひとことを紹介してくれました。

「子ども3人を抱えてフルタイムで働いている同僚がいる。その人と仕事への向き合い方を話したときに、“でも自分の選択だからね”って言っていたことが衝撃であり納得もできた。自分が子どもを欲しくて選んだことだから、もし別の状況だったら……なんて考えてもあまり意味無いなって腑に落ちたんです。それから、子育てと仕事の関わりであまり落ち込むことが無くなったな」

自分の心を守るためにできること

「感情を強く動かされることが苦手になってしまい、たとえば、悲しくなってしまうようなテレビドラマをあまり見なくなった」と切り出した人がいました。自分の心が「今は、ちょっと無理かも」と感じたら、そうしたものから距離をおく。そのぶん、自分がここちよいものを選んで取り入れるようになれたそうです。人間関係でも同様に、無理をせず自分が楽しいと感じる人と関わっていくようにする――友人が20代の頃よりも少なくなったけれど、気持ちは楽になっていったと話します。

好きなことだけに囲まれたり、没頭したりできる人がうらやましいと感じているエピソードも共有されました。自分は何が好きかわからなくなってきたり、子育てに全力で、子どものことしか話のタネが無いことにハッとした経験を語ります。「今は子どもとしか関わっていないから話の中心は子ども。わたしだって、おしゃれなワインの話とか、できるならしてみたいな」と冗談めかしつつ本音も混ざったその発言に、周りからも共感の声が。「でも、今はそれでもいいんだよね」

対話での気づき

参加したオルビスの社員二名に、当日感じたことを聞いてみました。

――お二人は、参加してみていかがでしたか。

オルビス社員 栗原

栗原:対話会が始まるまでは、他社の方なのでどこか遠い存在のように感じていました。でも、話し始めてみると、予想していた「そんなことあるんだ」という発見よりは、「わかるー!」という共感が多かったです。とても親近感がわきました。

米谷:いま働いている環境が自分にとって恵まれていると感じているぶん、上手くいかないことなどが起きると「自分がだめなんだろう」と思いがちだったんです。でも、他の会社で自分と同じように悩んでいる人がいて、なんだかほっとしました。

オルビス社員 米谷

――対話会への参加後に、気づきや変化などはありましたか?

栗原:自分が持つ悩みが環境によるものなのか、自分の考え方次第なのか、よくわからないことがありました。でも、他の会社に勤めている同世代の女性が同じように悩んでいるのを聞いたことで、「これはライフステージ的な悩みなのかもしれない」と思えるようになりました。年齢とか、既婚未婚とか、子どもがいるかどうかとか、もちろん状況はそれぞれ違うけれど、同じように目の前の困難に対して頑張っているんだな、と思えて心強かったです。できることなら仕事の立場とかを踏まえて、もっとキャリアの話までしたかったな。そう感じるくらい、話しているのが楽しい時間でした。

米谷:理解のある職場環境に対してありがたいと感じる反面、悩むのは自分のわがままかなと思うこともあって。でも、色々な人とお話して、もっと職場をここちよくできる選択肢もありそうだなと思いました。例えば、もし他の人も悩んだりつらい思いをしているなら、会社に提案してみるとか。違う環境を知ったからこそ、気づけたことかもしれません。あとは、「子育て中だとしても、ママとして輝いていなきゃいけない……」という世間からの見えない圧があるような気がしていたけれど、「子育てに一生懸命になったら、今自分は何が好きかわからない」と言っていた人がいて。それが強く印象に残っています。そういうことを、素直に言っていいんだなって気づいたら、気持ちが楽になりました。

各グループからは、当日このように感想が共有されていました。

「人に話してみたら、普段感じている悩みや居心地の悪さもすごく小さなことに感じて。もっと人生を楽しもう、と思えました」

「別の会社だから違いがあるのかな、と思って臨んだけれど、話してみたらみんな同じことで悩んだり喜んだりしていて。子育て中でこんな風に同世代の大人と話す機会が少なかったから、楽しかったです」

「日頃のモヤモヤをシェアすることができました。同じように悩みながら頑張っている人がいると知れたのは貴重な体験です。他人を変えることは難しいけれど、自分を変えることはできる。見方をちょっと変えてみようかなと思えました」

日常を過ごすなかで、それぞれ思うことや悩むことはきっとあるはず。普段は社会のしがらみから「こうあるべき」と考えてしまいがちだけれど、年齢、立場、環境がことなる人と対話するからこそ、自分の本音と向き合えたり、新しく気づけることもあるのかもしれません。この対話を通して、自分らしい生き方や働き方を見つけるきっかけを届けられていたらとても嬉しいです。

現在、オルビスのオウンドメディア「ORBIS IS」では、答えのない女性の生き方に寄り添う記事『ことなるわたしたち』を連載しています。 女性ならではの人生をみつめ、リアルな葛藤に共感したり、考え方や決断にヒントを得ながら連載は進んできました。いまを生きる様々な女性のストーリーが、あなたの人生を少しでも後押しできますように。こちらの連載もあわせてお読みください。

対話会に参加した、オルビスとNTT東日本社員


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Text Sachiyo Omura / Edit Yuki Enomoto

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