2024.7.24

お布団を干す朝 haru.×小谷実由【前編】

PROJECT

月曜、朝のさかだち

 haru.

『月曜、朝のさかだち』第12回目はモデル、文筆家の小谷実由さんをゲストにお迎えし、お布団を一緒に干しました。太陽の香りをまとったお布団で眠りにつく夜を想像しながら、1日のスタートを切った2人。朝活を終えた2人は、小谷さんがモデルを目指したきっかけや普段いろんなスタイルの服を着こなす小谷さん流コーディネートを決めるヒント、この夏に挑戦したいスタイルなどをお話しいただきました。

思い出の場所でお布団を干す朝

haru._私がおみゆさんと出会ったのは8年くらい前なんですね。出会ったきっかけを私は思い出せないのですが…。

小谷実由(以下:小谷)_Instagramじゃない?共通の知り合いは多かったよね。

haru._そうですね。me and you*①というメディアの取締役で編集をされている野村由芽*②さんを通しておみゆさんとお話しすることが多かったですよね。トークイベントでご一緒したり、企画を一緒にやらせてもらったりとかして。今日は満を持してこの番組にも出ていただきました。本日の朝活は布団干しで、これはおみゆさんの発案だったんですけど、なぜ布団を干したいと思ったんですか?

小谷_実は今この収録をしているHUGのオフィスが入っている場所に7年前ぐらいまで住んでいたんですよ。ここにharu.がオフィスを構えるときにSNSで写真を見て、すごく見覚えがある部屋だと思って聞いてみたら、本当に私が住んでいた場所だったんです。なのでこの場所は私にとってすごく思い入れがある。ここには屋上があって、実際に住んでいたときにその屋上に布団を干していたので、もう一回それをやりたいなと思って提案しました。

haru._今日は布団を干すにはぴったりな天気でしたね。このマンションってカスタムがOKなので、住んでる人によって部屋の色がめちゃくちゃ変わるんですよね。

小谷_そうそう。壁の色とか変えられるんだよね。

haru._この間同じフロアの人の部屋をチラッと見せてもらったら、壁が真っ青でした。

小谷_へー!今の私の旦那さんが最初にここに住んでいて、そこに一緒に住むことになったんですけど、入居するときに「壁の色は何色がいいですか?」って聞かれたって言ってた。

haru._そうなんだ!私たちの場合は全部真っ白だったんですよ。「天井も含めて全部白くしてあっていいですか?」って言われて、「はい」って言って入居したんですけど、「もし何かしたいことがあったら一回教えてください」って言われました。

小谷_何かしていいんだね。

haru._結局何もせず、前の人の部屋のまま住んでいます。でもこうやって思い出が詰まった場所におみゆさんがまた来てくれて嬉しいです。

小谷_なんだか感慨深い気持ちでいっぱいです。

haru._ここ出世マンションって言われません(笑)?

小谷_そうなんですよ。ここを出るときにはアルバイトをせずに、今のお仕事だけで一応生活できるようになったかも。なので私も一応出世できたのでしょうか…?っていう感じでした。

haru._私の周りの人でここに住んでいた人もそれを言ってました。「すごくいい波に乗ってるときに出たんだよ」って言われて、「出なきゃいけないんだ…」って思っています(笑)。私たちはこの間ちょうど更新したばかりなんですよ。

小谷_まだまだ上に行けるっていうことじゃない?

haru._伸び代があるということで、ここでもう少し頑張っていきたいと思います。

小谷_素敵な場所だからずっといたくなっちゃうよね。私も引っ越した後もしばらく戻りたいなって思ってた。どの季節もすごくいいんだよね。

モデルになったきっかけ
「たくさん服を着たかった」

haru._おみゆさんは多岐にわたって活動をされていて、モデルだけでなく、本を執筆されたり、最近ではPodcastのホストもされていますよね。だけど一番イメージとして強いのは、私のなかではモデルさんなんですよ。たぶん私が10代の終わりとかに出会っていて、その頃って職業を一つにしなくてもいいみたいな流れが増えてきたタイミングで、おみゆさんもモデル活動をされながらどんどん活動の幅を広げている姿がすごく素敵だなって思っていました。モデルはモデルらしくいなきゃいけないみたいな風潮をすごく自然に変えていって、モデルというイメージを拡張しているなって思ったんです。なので私にとって一番身近なロールモデルのような存在だったと思います。モデルになったきっかけはなんだったんですか?

小谷_14歳から一応モデル事務所に入ったんだけど、志したのは小学校6年生の頃。理由は色々あるんだけど、一番の大きな理由は洋服が大好きで、モデルになったら服をいっぱい着れるなと思ったから(笑)。当時『ピチレモン』*③っていう雑誌を読んでいて、可愛い服がたくさん載っていたの。だけど全部買ってもらえるわけじゃないし、自分のお小遣いで買えるわけでもない。でも、とにかく服が着たかった。それを着てこうなりたいとかではなくて、とにかく袖を通したいみたいな。それで、いっぱい服を着るにはどうしたらいいんだって思ったときに、雑誌に載ればいいのかもと思ったのが最初に志した理由だったな。もちろんモデルさんがすごく素敵で、憧れていたのもある。あとは、子どもの頃から身長が高くて、小学校6年生で160cmぐらいあったんだけど、それしか取り柄がなかったの。小学校の頃って勉強や運動が得意な子が人気だったけど、私はどっちも得意じゃなくて。でも背が高い子も稀にその人気者に入り込める可能性があったんだよね。背が高いっていいなって思う子も多いから、すごく誇りに思っていたし、唯一自信を持てる部分だったんだよね。

haru._背が高いのがいやで猫背になっちゃったっていう友達がいたので、おみゆさんは自信に繋がってよかったなって思います。

小谷_きっといろんな捉え方があると思うんだけど、私はそれにすごく救われたんだ。背が高い=モデルさんみたいな漠然としたイメージを持つことができたのも大事なきっかけだったと思う。そこから雑誌のオーディションに写真を送ったんだけど全然ダメで。でも中学生 のときに事務所のオーディションを受けたら、入れることになって、そこからモデルのお仕事が始まりました。

haru._おみゆさんの服好きのルーツってどこにあるんですか?

小谷_やっぱり親だと思う。お母さんがデパートに勤めていて、セールがあると可愛い服をよく買ってきてくれることがあったの。子ども服売り場で働いていたから、いろんなジャンルの服を着せてもらう機会があったかな。

haru._私も子どもの頃に同じ雑誌を読んでたけど、親が服に無頓着だったから、一緒に買い物に行っても「これが欲しい」って言うのが恥ずかしかったな。

小谷_でもお洋服は好きだったの?

haru._いろんなものを着たいとは思ってなかったけど、なんか好きっていう感じでした。でも服で何か伝えられることがあるなっていうのはざっくり思っていて、絵を描くのが好きだったからいろんな人物を画用紙に描いていたんです。その頃から、服を着ることでその時の自分のムードを表現できるみたいなことは思っていましたね。おみゆさんとはちょっと違うのかもしれないけど、自分のなりたい自分になれるみたいな感覚はちょっと掴んでいたのかもしれないです。

小谷_服に対して思ってる気持ちは近いと思う。

コーディネートを決めるヒント

haru._おみゆさんと装いの話ができたらいいなと思っていたんです。というのも、おみゆさんは出会ってから長いんですけど、会うたびに印象が違うんですよ。前に街でおみゆさんをお見かけしたとき、おみゆさんは黒のワンピースを着ていて、パートナーも黒い服を着ていてめっちゃかっこよかった。なんてかっこいいカップルがいるんだろうと思ったらおみゆさんたちだった。

小谷_恐縮です…(笑)。

haru._そういう日もあれば、今日はシンプルなバンドTシャツにデニム、キラっとしたネックレスをつけていらっしゃる。Instagramにはレイヤードスタイルとかもあげていて、毎度新鮮な驚きがあります。どのように服を選んでいるのかなとか、今日はどうしてその服装で来たのかとか聞いていきたいです。

小谷_いつも服を選ぶ時は無意識なんだけど、その日に行く場所とか、会う人がきっかけになってるのかも。相手がこういう感じの服だから、その横に並んだときにどういう格好だったら素敵かなとか。今日はこの喫茶店に行くから、あのソファに合う服とか。そういう場所や人に溶け込んだり、似合う人でいたいなっていうふうに思ってる。

haru._自分を主張するっていうよりかは、その環境とか人に合わせて楽しむっていう感覚なんですね。

小谷_すごく迷っちゃうから、それがヒントになるの。たまに「今日は絶対にこれを着る!」って、パッと決められるときもあるけど、ひどいときは10回くらい着替える。服が決まらなくて行きたくないって思うこともある。「こんなに服があるのに、この中に今日着たいものがあるのか分からない」ってなっちゃうときもある。

haru._10回着替えるのはすごい…。

小谷_汗だくだよ(笑)。そういうときに決め手になったりヒントになったりするのが、その日に会う人とか行く場所だったりするんだよね。ショーウィンドウとか鏡にパッと自分が見えたときにいい感じだなって思えると嬉しいし、自信になる。そういうその場所に溶け込むとか、そこにいい感じに立っていられる服を着ていると、外の世界にいるときに安心感に繋がるのかなって思ってる。そんな安心感からちゃんと発言できたり、ちゃんと考えられたり、ちゃんと振る舞えたりするのかなっていうふうに最近ちょうど考えてたところだったよ。

haru._お友達と会うときと仕事じゃ全然違うと思うし、そうなるといろんなジャンルの服が必要になるのかなって思うんですけど、服を選ぶときに自分はこのジャンルは着ないとかはあまりないですか?

小谷_全然ある。たくさんいろんな服を着てるっていうふうに言われたのは結構自分では意外で。持ってる服は全部好きだから着ているっていう理由が根底にあるから、あんまりいろんなジャンルを着てるって思わないのかも。

haru._おみゆさんのInstagramを見たあとに、おみゆさんが出てる記事とかを見て、「このベストさっきおみゆさんのInstagramで見たかも」と思ってもう一回Instagramを見てみるとちょっと違うみたいなことがあって。その小さな違いなのに、このコーディネートにはこのベストの方が合ってるみたいなことがあると、すごい!って思います。

小谷_やっぱり服がすごく好きだから、同じようなものをいっぱい買っちゃうんだよね。だから自分ではあまり変化がないと思ってるのかもしれない。

haru._今日のバンドTシャツを選んだ理由は?

小谷_さっきも話しましたがこのHUGオフィスのあるマンションに住んでいたんですけど、ここに初めて来たときに着てたTシャツ(笑)。

haru._よく覚えていますね。

小谷_一番最初にここに来たときのことはすごく覚えてる。いい思い出がいっぱいあるから、思い入れがある服を着ようと思っていて、個人的にこの服はすごく大事な服。一番最初にここに足を踏み入れたときの服っていうのもあるし、それ以前にすごく大事な服なんです。特別な理由が積み重なった1枚。

haru._これはなんのバンドTシャツなんですか?

小谷_これはDevo*④っていう私がすごく好きなバンドなんですけど、20歳ぐらいの時に一張羅としてネットで買ったんです。20代にすごく着ていて、いろんな場所に連れて行ったTシャツ。

haru._シチュエーションや行く場所で服を選んでいたら、確かに何を着ていたかって鮮明に覚えてそうですね。

小谷_割と覚えてるかもしれない。haru.は自分のモードを服に出すって言ってたけど、私は好きなものとかを服に落とし込むのが好き。だから好きなものがプリントされてるTシャツとかすごく持ってる。初めましての人しかいない緊張する仕事の現場とか、どんな空間か分からない、ヒントになるものが無いときはとりあえず自分の好きなものを着て行く。「そのTシャツ何?」って話のきっかけになるようなものを選ぶことが多いかも。

haru._服選びでそんなふうに考えたことなかったかも。私はとにかく無課金アバターのような服装をするようにしています。でもおみゆさんと似ていて、その現場に馴染みたいっていう気持ち。

小谷_それはお仕事のときってこと?

haru._常にです。今日はちょっと派手めなボーダーのTシャツにデニムを着ているんですけど、基本的にデニムとシンプルなトップスを着て、その空間に馴染むことを意識してるかも。

小谷_服を選ぶのに悩むときはあるの?

haru._あんまりないんですよ。だからちょっとおめかししてくださいみたいな状況が一番悩んじゃう。無課金アバターで行ったら、失礼に当たる可能性がある空間のときがすごく悩みますね。でも無課金アバターだとほとんどの場所で大丈夫です。

小谷_でも普段そういうシンプルな格好だと、たまにドレスアップしたharu.を見るとめっちゃドキッとするの。

haru._やったー!

小谷_そのコントラストがすごく素敵だから、その無課金アバターもめっちゃ意味を持ってるなって思った。だから続けてほしいし、そういうドレスアップした姿も今よりもちょっと高めの頻度で見たい。

憧れる部分をカスタムして
自分だけのロールモデルを作る

haru._おみゆさんって自分の理想像みたいなものを描いたりしますか?

小谷_憧れの人とかはあまりいないし、はっきりさせないようにしてる。そういう的確な目標があると、私は逆算してそこに合わせていこうとしちゃう性格だから。

haru._おみゆさんって真面目じゃないですか。だから目標を定めたらコツコツと進んじゃうんですかね。

小谷_遊びや余白が無い感じになってしまうんだよね。だからこの人いいなって思ったら、部分部分を取り入れたり、カスタムしていくっていう感じの憧れ方はある。この素敵な人はいい匂いがするって思ったら、「いい匂いがするって思われる大人になりたいな」とか、ちゃんと目を見て話す人に会ったときに、「私もそうしよう」とか。そういう部分部分で素敵だなって思う人のことを参考にしたいなって思う。あとは、好きな映画に出てきそうな服だなって思うと買っちゃうとかもある。

haru._おみゆさんはウォン・カーウァイ*⑤の映画が好きですよね。

小谷_そう。だからあの世界にありそうな服とか買っちゃう。

haru._確かにあの映画の色彩の感じとか似合いそう。

小谷_そう言ってもらえるのは、たぶんそこに結構長い時間をかけて私が寄せていってるんだと思う。だからそう言ってもらえるのはすごく嬉しいし、自分の努力が報われた感じがする。

haru._ずっとそう思ってました。台湾に旅行に行ったときも、おみゆさんのことを自然と思い出した。台湾ですごく撮影したいんですよ。いつか一緒に行きたい。でもそんなふうに、街を見て人を想像するってすごいですよね。

小谷_思い浮かべてもらった人もすごく嬉しいと思う。私も旅行に行って、あの人ここ好きそうだなとか、ここ似合いそうだなって思ったら写真撮って連絡しちゃうんだよね。

haru._私もやろう(笑)。台湾ってみんな家の前にすっごい植物を置いてあるじゃないですか。ああいうところにおみゆさんが鮮やかなワンピースを着て立っていたら素敵だろうなって思う。

小谷_嬉しい。ナイスディレクションですね。

服はコミュニケーション

haru._今年の夏に挑戦したい服装とかありますか?

小谷_だいたい夏ってTシャツにデニムっていうそれこそ無課金アバターな感じなんだよね。

haru._私は年中(笑)。

小谷_しかも暑いから判断能力も鈍っちゃって、デニムにTシャツでいいやってなっちゃう。この組み合わせなら安心って思えるから、それでもいいんだけど、もうちょっと一味変化がほしい。そう思って何かをプラスアルファすることを最近は楽しんでいて。デニムにちょっとスカートを合わせてレイヤードにしたり、Tシャツの上にベストやビスチェ、キャミソールを重ねたりとか。そういうのに挑戦してる。それが楽しいし、去年の自分を脱した感じがするからいいなと思ってやってます。

haru._おみゆさんはアクセサリーも自分で作ってますよね?

小谷_今日も作ったやつをつけてる。私はすごく不器用なんだけど、簡単に作れるものを作るのが楽しい。集中できるから、ストレス発散になったりもするんだよね。

haru._私の周りにもそういう人がたくさんいる(笑)。

小谷_私はずっと考えてしまう癖があって、切り替えることがあまり得意じゃなくて。でもアクセサリーを作ってるときは、それしか考えられないから、一旦他のことを考えることを止められるの。それが休憩にもなるし、アクセサリーが好きだから、パーツを見ながら「これとこれが合わさったら可愛いかな」って考えながら作ってる。今日もこのあと浅草橋にアクセサリーのパーツを買いに行く(笑)。

haru._夏前になるとビーズアクセサリーを付けたくなりますよね。おみゆさんとお買い物に行ってみたいです。

小谷_行こうよ!でも最近は古着屋さんにはいけるんだけど、普通の服屋さんに入るのは緊張しちゃう。話しかけられるのがあまり得意じゃなくて、試着とか勧められると断るのが気まずくて着ちゃう。欲しいと思わなかったら絶対に買わないけど、パッと見てパッと出たいときもあるじゃん?お店の人と話すことでいい出会いが生まれるときもあるけどね。

haru._2人で行ったら大丈夫かも。でも、いつもの服にプラスアルファしたい気持ちはめっちゃわかるな。

小谷_こんなに服持ってるのに、毎日Tシャツとデニムかよって思っちゃう。服を持っていることで自分にすごく負荷がかかってる。自分で自分の首絞めてるんだよね(笑)。

haru._衣替えがうまくできなくて、部屋の床に服が山になってて、入るたびに負担になってます。でもなかなか片付けられない…。

小谷_衣替えするたびに「私はどうかしてるんじゃないか」って思ってる。1日1着しか着れないのに、なんでこんなにあるんだろうって。なのにまだ欲しいのか?って(笑)。

haru._服だけの家が必要になってきますね。

小谷_本当にそうしないと、私は服に埋もれて一生が終わるんだなって思います(笑)。

haru._服を買わない月はありますか?

小谷_あると思う。服を買いに行くっていうよりかは、展示会に行って注文することが今は多くて、服を買いに行こう!みたいなことは減ったかも。それに今はすごく考えるようにしてて、いいなって思って試着しても、3回ぐらいしか着ないかもって思ったら買わないこともある。試着したら絶対買う人間だったのに、試着室から出てきて「ちょっと考えます」って言って元に戻してる姿を旦那さんが見るとめっちゃ驚いてます。

haru._私は出会い頭で「わあ!」ってなって服を買うことってあまり無いです。決め手とかが無いので、この季節になったからこのアイテムを買いたそうみたいな感じ。

小谷_無課金アバターの買い物(笑)。

haru._そうなんですよ(笑)。だから毎年夏前にプチバトー*⑥に行って、タンクトップを買い足すんです。毎年着倒すから、一夏で結構ヨレちゃう。今年も細いボーダーのタンクトップを買い足しました。それにデニムだから、最初っからその服装だったアバターみたいになる(笑)。

小谷_本当はそこにアイテムを足していくんだけどね。でもそれですごく素敵に見えるのは最高だと思う。シンプルな服ってその人の人となりがすごくわかる格好だと思うから。

haru._私は逆におみゆさんの場所によってスタイルをチェンジできる適応能力みたいなところがすごいなって思います。服ってコミュニケーションじゃないですか。一方的じゃないそのスタイルが素敵だなって思います。

小谷_服はコミュニケーションだと思ってます。そう言ってもらえると家を出る前に10回着替えてる甲斐があります(笑)。

haru.さんと小谷さんの対談は後編に続きます。後編では小谷さんがホストを務めるPodcast番組『おみゆの好き蒐集倶楽部』を始めたきっかけや「好き」で人と繋がること、小谷さんの自分のほぐし方についてたっぷりお話しいただきました。そちらも楽しみにしていてくださいね。

それでは今週も、行ってらっしゃい。

①me and you
me and you little magazine & clubは、「わたし」と「あなた」という小さな主語を大切にしながら、小さな違和感も幸福もなかったことにせず、個人的な想いや感情を尊重し、社会の構造まで考えていく場所。ひとりひとりの声や対話、作品を集めて記録する「little magazine」というマガジンと、安心して話しはじめることができ、信頼できる人が見つかるかもしれない「club」というコミュニティのふたつの軸で場所をつくっている。

②野村由芽
1986 年生まれ。編集者 / 文章を書く。広告会社に勤めたのち、2012 年 CINRA 入社。カルチャーメディア CINRA.NET の編集、企画、営業を行い、アジアのクリエイティブシティガイド HereNow の東京キュレーターを担う。さまざまな企業のオウンドメディアの立ち上げにも携わり、コンセプトやストーリー立案、コピーライティングを主に担当。2017 年に同僚の竹中万季と共に、ひとりひとりの声を肯定する場所「自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティ”She is”」を立ち上げ、編集長を務める。2021 年 4 月に CINRA を退職し、同月、竹中万季と共に株式会社ミーアンドユー (me and you, inc.) を立ち上げ、取締役に就任。個人と個人の対話を出発点に、遠くの誰かにまで想像や語りを広げる活動を行なっていく。主な仕事領域はインタビュー、コラム・エッセイ執筆、コピーライティング、司会。遠くと近くを行き来しながら、相手の言葉に耳を傾け、対話をしながらひとときその人の風景に潜ったり、一緒につくっていくような編集視点を心がけている。

③ピチレモン
『ピチレモン』は学研プラスが毎月1日に発行していたファッション雑誌。略称はピチレ。掲載モデルはピチモの愛称で親しまれた。 1986年4月創刊。2015年10月31日発行・発売の12月号をもって休刊。

④Devo
アメリカ合衆国オハイオ州アクロンで1973年に結成されたロックバンド。

⑤ウォン・カーウァイ
上海生まれ、香港育ち。グラフィックデザインの勉強をしたのち、TVドラマの制作を学び脚本家として頭角を現す。映画監督デビュー作「いますぐ抱きしめたい」(88)がカンヌ国際映画祭の批評家週間で上映され、続く「欲望の翼」(90)で香港電影金像奨(香港アカデミー賞)の作品賞、監督賞を受賞。92年に設立した製作会社ジェット・トーン・フィルムズの第1弾「楽園の瑕」(94)を2年越しで完成させる。同作の編集中に短期間で撮影した「恋する惑星」(94)が世界的にヒット、「天使の涙」(95)も話題になり、アジアを代表する映画監督として知られるようになる。「ブエノスアイレス」(97)でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞する。その後も「花様年華」(00)、「2046」(04)などスタイリッシュな映像美でラブストーリーを描き、「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(07)では初めて英語劇に挑んだ。初のカンフー映画「グランド・マスター」(13)は、第63回ベルリン国際映画祭のオープニングを飾った。

⑥プチバトー
プチバトーは1893年に子どもの肌着メーカーとして誕生したフランスを代表するブランド。新生児からベビーのアンダーウェアやデイウェアなど、常に着心地の良さを追求。『ベビーから大人まで楽しめる着心地』をテーマに、出産祝いのギフトにおすすめの新生児シリーズや、大人の女性が楽しめる定番のTシャツなど、 あらゆる世代の人々が楽しめる商品をラインナップ。

視聴者さん、読者さんから集めた「ゲストに聞いてみたいこと」にお答えいただきました。今後も『月曜、朝のさかだち』に遊びに来てくれるゲストのみなさんに聞いてみたいことを募集しているので、ぜひORBIS ISのSNSをチェックしてみてくださいね!

Q.子どもの頃にハマっていた服装はなんですか?

A.ギャルやモーニング娘。に憧れてルーズソックスを履いていました。その当時は小学生だったからデニムのハーフパンツを合わせていたけど、制服でルーズソックスってやってみたかったな~と大人になった今もたまに思います。ナルミヤブランドが大好きでした。ANGEL BLUEを着るとなんだか強くなれた気がする。SPEEDにもなりたかったからサイドにラインが入ったナイロンの太めのパンツやジャージも好きでした。

Q.どんな時に文章を書きたくなりますか?

A.いつでも! 記録することが好きなので、忘れたくないことなどは書き残しておきたいなと思います。

Q.続けている習慣があれば教えてください。

A.朝晩のストレッチ、週に1度の家の水周りの掃除、週末に行ったことがない場所へ散歩すること。

Profile

小谷実由(おたに・みゆ)

モデル・文筆家。1991年東京生まれ。14歳からモデルとして活動を始める。自分の好きなものを発信することが誰かの日々の小さなきっかけになることを願いながら、エッセイの執筆、ブランドとのコラボレーションなどにも取り組む。猫と純喫茶が好き。通称・おみゆ。2022年7月に初の書籍『隙間時間(ループ舎)』を刊行。4月からJ-WAVEPodcast番組「おみゆの好き蒐集倶楽部」毎週金曜日配信がスタート。

photography: miya(HUG) / text: kotetsu nakazato
 

PROJECT back number

vol.1
2024.09.30

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