2026.3.12

数字の先にある「因果」を掴む。オルビスのCRMが切り拓く、ブランドの未来

PROJECT

JOB&CULTURE

 ORBIS

こんにちは。採用広報の仁尾です。
通信販売から事業をスタートさせたオルビスにとって、CRMは経営の根幹を担う存在です。そして、その役割は単なる施策運用にとどまりません。データとリアルな声を往復しながら、「お客様の気持ちが動く理由」を探し続ける仕事です。
お客様と直接つながりを築いている強みを活かし、LTV(顧客生涯価値)を最優先に考える一貫した姿勢は、創業時から変わっていません。

そして2026年1月、CRMのさらなる進化を目指して組織再編が行われました。これまで磨き続けてきたマーケティングソリューションとしての実績を土台に、今後はより「ブランド戦略」に軸足を移し、お客様とより深く、人生に寄り添えるようなつながりを目指す新たなフェーズが始まります。

今回、話を聞いたのは、マーケティング事業全体を統括する執行役員の今井良輔さん。2005年の入社以来、店舗事業から海外戦略まで、約20年にわたってオルビスの変遷を見続けてきました。 データサイエンスの枠を超えた「人間理解」に基づく、オルビスでしか味わえないCRMの面白さとは何か。そして、さらなる変革期を迎えた今、これから共にオルビスをつくる“未来の仲間”へ伝えたい想いを聞きました。

創業時から揺るがない、LTVを軸としたCRM設計

——最初に、オルビスにおけるCRM部門の役割について教えてください。

CRM部門は、新規のお客様を獲得した後の関係づくりを担っています。一度つながったお客様と、より深く長くお付き合いいただくことを目指して、様々なツールや施策を絡ませながらLTVを最大化できるコミュニケーション戦略・プロモーション戦略を企画実行しています。
CRMを大切にしてきたのは創業時からです。というのも、新規獲得の領域はどうしても波が生まれるものですが、CRMを通じてお客様との関係性をしっかり結んでいけば、安定的に事業を運営できます。通販というお客様とダイレクトにつながれる業態だからこそ、CRMに軸足を置く。この考え方はこれまで変わっていません。


——現在のオルビスのCRMには、どのような独自性があるのでしょうか。

さまざまなメディアや購買チャネルとツールを掛け合わせて、お客様がオルビスを知るために最も適しており、最も便利に使える方法を提案できることです。メールマガジンやDM、毎月平均100万部を発送する紙のカタログ、全国に約90店舗ある直営店舗など、多様なお客様の接点を横断して活用できます。
中でも特筆すべき独自性は、圧倒的なアプリの利用者数です。現在600万ダウンロードを超えていて、今年中に700万に達する見込みです。プラットフォーマーやメガメディアを除き、ワンブランドでこれだけのアプリ利用者数を持つ例は、日本でも数えるほどしかありません。

ただ、オルビスの独自性はデータサイエンスの強さではありません。データから分かるのは、ほとんどが「相関関係」で、「AとBが同時に動いている」などといった“傾向”まで。「なぜお客様の気持ちが動いたのか」という「因果関係」は見えてこないのです。
そこで、「ここに因果関係がありそうだ」と仮説を立てたら、お客様の購買行動を直接見に行ける環境を活かしてすぐに施策を実行し、結果を検証する。この仮説から検証までのPDCAを高速で回していける組織力こそが、オルビスCRMが持つ真の独自性だと思います。

数字に現れない「因果関係」を、現場で確かめる文化

——その場合、起点となる「因果関係」の仮説の精度も重要になってきますね。具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか。

「直営店舗に行ってお客様の購買行動を生で観察したり、電話受注の様子を確認したり。オンライン上の行動についても、アンケートやインタビューを通じて会員のお客様に直接伺える環境が整っています。
ただ、大切なのは現場を前にして「なぜこういう行動になるのだろう」と立ち止まれるかどうか。データの異変に気づき、自ら足を運んで背景を確かめ、毎月のプロモーションの流れに乗せて繰り返しテストをしていく。そうした「関心を持つ力」がCRM部門を動かす原動力になっています。

——実際に、データと現場の両方で因果を掴んだ事例を教えてください。

スキンケアは売上の4割を占める当社の主力ですが、通常のプロモーションで売上を伸ばすのは難しい領域でもあります。ですが、「オルビス ザ クレンジングオイル」中心のプロモーションを数ヵ月継続していた期間中、スキンケアの売上が連動して上がってきた。クレンジング中心の施策でなぜスキンケアが伸びるのか、データだけでは理由が見えてきませんでした。
そこで伸び率が特に顕著だった直営店舗に足を運んだところ、クレンジングオイルのタッチアップから洗顔、化粧水へと、お客様が自然にスキンケアのお試しへと進んでいるのを目にしました。

例えばオルビスの洗顔は泡立ちやキレに強みがありますが、それを言葉で説明しても伝わりにくいものです。かといってプロモーションで伝えたとしても「売りたいのかな?」という印象になりやすい。しかし、クレンジングからの違和感のない流れで実際にお試しいただくことで、商品の良さがリアルに伝わっていました。こうして現場に行ってデータの背景を確かめることが次の施策に生きていきます。

——このような仮説検証を実際に施策に生かす場合、他部署との連携が必須かと思います。やり取りをスムーズにするため、組織面での工夫はあるのでしょうか。

社内ではアプリ、ブラウザのEC、直営店など担当部署が分かれています。一般的にはセクショナリズムの弊害によって、オンラインからオフライン、その逆など調整が難しい面があるのかもしれません。ですがオルビスは、私がマーケティングの全チャネルを統括しているので、複数箇所の承認が必要だとか、部署間のパワーバランスを気にするといったことがありません。全部門が「お客様起点」で考えて動くからこその壁の低さが、やり取りをスムーズにしています。

もちろん、組織運営の面でも柔軟な改変を行うなど、試行錯誤を重ねています。例えば、新規獲得のチームは「獲得数」だけ、CRMチームは「リピート」だけを追いかけると、どうしても分断が生まれますよね。前者が闇雲に獲得した新規顧客が、リピートにつながりづらいというケースも出てくるからです。そこで新規獲得とCRM、両方のチームが同じ方向を目指せるよう、リピート購入の目標を同じ割合で持たせています。


「ブランド価値」でお客様とつながるための、次の戦略

——2026年1月に組織を再編されたそうですが、その背景と、これから目指す方向性を教えてください。

これまでお客様に直接商品をお届けするDtoC事業と、企業を通じて商品を販売するBtoB事業で組織が分かれていましたが、ひとつの施策が両方に効く場面が増え、自社ECと卸の線引きが難しくなってきました。そこで組織を再編し、チャネルや業態を横断して施策を設計できる体制に移行した、というのが背景です。

今後は少子高齢化が進みますから、これまでの中心顧客層だけではブランドの成長にも限界が出てくるでしょう。そこで60代以上のシニア層への訴求や、商品の価格帯の拡大、ドラッグストアなど小売店への卸売チャネルの拡充を進めています。
ただCRM部門としては、流入経路が多様になるほど2回目・3回目の購入につなげる難易度は上がります。だからこそ、今年はより初回購入からリピートへの転換率とLTVに重きを置いて取り組んでいくつもりです。


——そうした多様化に対応するために、CRMとしてはどんな進化が必要になると考えていますか。

マーケティングソリューションの面では、美容業界でも高いレベルに到達していると自負しています。ただし、それを言い換えると、従来の延長線上では伸び幅があまりない、とも表現できる。これからはブランディングをさらに強化していくことが重要になります。
そのために不可欠なのが、MA(マーケティングオートメーション)の進化です。先ほども述べた、お客様の年齢層や購入チャネルが多様化する中で、一人ひとりに合わせた最適なタイミング・内容・手段での接点設計が求められます。しかし、そのパターンは人間が手作業で対応できる量をすでに超えています。だからこそMAの仕組みが必要なんです。

ただ、オルビスが目指すMAは、メール配信やアプリ通知の自動化といったデジタルに閉じた世界観ではありません。シニア層のお客様には紙のカタログやDMの方が届きやすいかもしれないし、店舗体験が購入のきっかけになるお客様もいます。そうした判断も含め、オンライン・オフライン、デジタル・アナログのすべてを横断し、お客様ごとに最適なシナリオを設計・実行していく。それがオルビスの考えるMAの姿です。

この進化と並行して、ブランドの価値そのもので選んでいただく関係づくりにも力を入れていきます。これまではポイントや値引きでお客様の購買を後押しする場面もありましたが、それはどちらかというとマーケティング寄りの手法です。
ポイントや値引きをすべてやめるという話ではありませんが、研究へのこだわりや安全性、商品の裏側にいる人たちの努力や工夫といった、ブランドが大事にしている価値観をしっかり伝えていくことで、値引きに頼らないつながりを構築していきたいと思っています。


「正直、今のオルビスに入社したい」。前例のない挑戦を支える環境

——組織変革の最中において、今後のCRMではどのような人材を求めていますか。

メンバーであれば、デジタルマーケティング、カタログ、店舗など、何かひとつ得意領域を持っていることが前提になります。ただ、「この分野だけをずっとやりたい」というスタンスだと、正直難しい。お客様がどんな行動をしているのか、自分の担当領域の周辺まで関心を広げていける姿勢が求められます。

マネジャーには、さらに広い視野を求めています。それはすべての領域に精通しているという意味ではなく、ひとりのお客様が、アプリや広告、他ブランドのECなど日常の中で自然に行っている動き全体を想像しながら、「だから今、CRM部門ではこれをやらなければ」と導き出せる力です。
お客様への理解に裏打ちされた提案であれば、たとえ前例がなくても組織として後押しする。その自由度に上限はありません。


——オルビスで働くことで、どのような経験やスキルが得られるとお考えですか。

ここまでお話ししてきた環境に身を置くことで、デジタル・アナログ・店舗を横断した、相当幅の広いダイレクトマーケティングの力が身につくと考えています。日本でもこれだけ多彩なチャネルを実践的に経験できる環境は、なかなかないと思うんです。
加えて、CRMで培った顧客理解を活かして、PRや新規獲得といった領域に活躍の場を広げていくことも可能です。一つの専門領域に閉じず、マーケティング全体を見渡せるキャリアを築いていける環境があると思います。

——今井さんは約20年間、オルビスでキャリアを積んできました。先人の立場から、転職を検討している方にメッセージをお願いします。

正直なところ、「今のオルビス」に入社したかったな、と思っています(笑)。私が入社した時代はまだ年功序列が残り、挑戦よりも失敗しない手堅さが求められる働き方でしたが、今は全く違います。成し遂げたいことがあり、その覚悟と納得のいく筋道を示すことができれば、社歴や役職に関係なく会社が予算を組んでバックアップしてくれる組織に変わっています。
スタートアップのような挑戦の機会がありながら、財務的にも組織的にも安定した基盤の上で思い切った挑戦ができる、なかなか得がたい環境ではないでしょうか。

先ほどお話しした全チャネル横断型のMAやブランディング強化は、手本となる先行事例が世の中にあるわけではありません。私たち自身がトップランナーとして、この領域を切り拓いていかなければいけないんです。
ファーストペンギンとして、前例のないところに飛び込む覚悟が求められますが、その挑戦を支える文化がオルビスにはあります。確かな成長の手応えを得られる組織だと思いますので、お客様への理解を深めるために、試行錯誤を重ねられる人をお待ちしています。

Profile

今井 良輔(Imai Ryosuke)

2005年入社。店舗事業部に配属された13年間で、営業や販売企画、営業マネジャーを経験。2018年にブランド戦略に異動、2019年の新規戦略、2020年の海外戦略への異動を経て、2021年海外戦略部長に。2023年より執行役員に就任。現在はマーケティング事業責任者として、CRM推進、店舗事業、CX推進、PR・ブランドプロモーション、ダイレクトブランディング(新規獲得)などを担当している。


取材・文:木内アキ


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

オルビスでは現在、一緒に働く仲間を募集しています。少しでも興味をお持ちいただいた方は、ぜひこちらからご連絡ください。
皆様のご応募、お待ちしております!

※本記事内容は、公開日(2026年3月12日)時点の情報に基づきます。

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