ブランドの共感者とともに、オルビスの未来を創る。新たなオウンドメディア 「ORBIS IS 」が目指すこととは
JOB&CULTURE
こんにちは。ブログ担当の仁尾です。
2023年の創業月となる5月、新たなオウンドメディア「ORBIS IS(オルビスイズ)」をオープンしました。
「ORBIS IS(オルビス イズ)」は、競争の激化する採用市場においてブランドプレゼンスを向上させるコーポレートサイト機能に加えて、ブランドの思想や描く未来に共感する方々とともに発信するオリジナルコンテンツを盛り込み、「メディア」機能を併せ持ったハイブリッド型のブランドサイトへと進化しました。
「すでにオルビスと接点のあるお客様に加えて、“未来のお客様”とのつながりを育むことを意識しました」と話すのは、「ORBIS IS」タスクフォース(各部門から集まった少人数のプロジェクトチーム)のリーダーを務める、経営戦略部 経営戦略グループ担当マネジャーの髙松勇太さんです。
「ORBIS IS」の立ち上げ背景や込めた想い、ここから何を実現したいのかなど、話を聞いていきます。
「未来のお客様・社員」とつながるコミュニケーションハブに
―――まずは、新たなオウンドメディア「ORBIS IS」の立ち上げに至った背景を聞かせてください。
オルビスには、EC、ORBISアプリ、メルマガ、カタログ情報誌、コールセンターなど多数のチャネルはあるものの、つながりの中心はすでにオルビスを知ってくださっている方たちであり、プロダクトや採用といった直接的な関係性が主体でした。
ですがその一方で、ブランドとお客様のつながりが、プロダクトの購入とそれに紐付く情報を受け取るだけの関係性になってしまうと、今後お客様との関係が徐々に希薄化してしまう可能性があります。
そこで、「ORBIS IS」は「生活者」全般をターゲットとし、既存のお客様はもちろん、“未来の”お客様や社員とのつながりも育んでいく、ブランドの「コミュニケーションハブ」となるメディアを目指してローンチしました。従来のコーポレートサイトの機能は維持しながらも、よりブランドアクションの体現を意識した、オルビスとしてこれまでにない新しいメディアの立ち上げに踏み切ったのです。
―――新たなオウンドメディアを構築するうえで、どのような考え方が起点となったのでしょう?
未来のお客様や社員とここちよい距離感でつながっていくためには、オルビスがどのような人格を持っていて、何を成し遂げたい会社なのかを示す必要があります。それらを明文化するため、オルビスは2022年の創業35周年を機に、目指す未来の実現に向けてブランドの存在意義(Purpose)とブランドの人格(Personality)を掛け合わせたものを作り、それを「パーパソナリティ(Purposonality)」という独自の造語で表現しました。
オルビスのパーパソナリティとは、Compassion(思いやり)を携えて、ここちよい時間にも、不安や悩み、迷いにも誠実に向き合いながら、相手にとって適度な距離感で寄り添う「Compassion-ist」というものです。
「ORBIS IS」ではそのあり方を体現するため、オルビスとつながる方々の生活や日々の心の動きに向き合い、寄り添っていくことを大切にしています。その上で、サイトデザインからコンテンツに至るまで、多様なアプローチでチャレンジしていきます。
たとえば、一般的に企業のウェブサイトではあらかじめ決められたテーマカラー・ブランドカラーをデザインに使用することが多いですが、「ORBIS IS」では「Color of time」というデザインコンセプトを採用しています。
季節によって日の出、日の入りの時間が異なるところまで再現をしたうえで、「ORBIS IS」を訪れるタイミングによって背景色が変わるデザインにしました。
何気ない毎日に寄り添い、ここちよい日常を提供したいというブランドの想いと姿勢を、サイトデザインに反映させたのです。
【画像】デザインコンセプト「Color of time」
月曜日の朝には、なんとなく元気が出ないときに朝焼けがかった空色の背景を見て、リズムを整えていただきたい。一方で、夜になると目に優しいナイトモードに切り替わります。眠りにつく前に、鮮やかすぎる色彩のサイトを見ると疲れてしまいますよね。
季節や光、色からも人のバイオリズムに寄り添い、「ここちよい」体験をしていただきたい、一人ひとりに寄り添って日常で前向きな気持ちを届けていきたいという思いの表れでもあるのです。
「人」を介することで生まれる、ここちよい距離感を体現したい
―――先ほどデザインの話が出ましたが、コンテンツについて意識したポイントはなんでしょう。
「ORBIS IS」の特長は、ブランドの人格となる「Compassion-ist」を体現しながら生活者とのつながりを育んでいく点にあります。そこで、軸となるコンセプトを「人」を介すること、としました。
オルビスはテクノロジーやサイエンスの観点を重要視しながらも、それと同じくらい「人肌感」を大切にしています。コンテンツにおいても日常とは違った視点で、親しい友人と時には楽しく会話をするように、時にはそっと側にいて話を聞いてくれるような距離感を実現したいと考えました。
ローンチ時には3つの柱を設定し、各テーマごとに、オルビスの思想や描く未来に共感するコントリビューター(体現者)を立てて連載コンテンツを展開していきます。
1つ目の柱は「VIEW」。スマートエイジング®な社会の実現に向けて、さまざまなテーマを探求・探索するコンテンツです。Takramのビジネスデザイナー・佐々木康裕さんがコントリビューターを務め、ビジネスにおいて今後ますます不可欠なキーワードになっていく「人間らしさ」について、多様なゲストと対話を重ねていく連載を始めました。
2つ目の柱は「LIFESTYLE」。連載『ことなるわたしたち』は、アーティスト・山瀬まゆみさんが、多方面で活躍する魅力的な女性たちにインタビューしていきます。多様な価値観が重視される時代だからこそ、一人ひとりが自分らしくいきいきと過ごせるスマートエイジング®な生き方のヒントを見つけていただくことを目指しています。
これら2つとは少し方向性を変えて、3つ目のテーマは「RADIO」です。ローンチ時は、前述のふたつのシリーズと連動して、インタビューのリアルな音声をPodcastチャンネルで配信していきます。6月以降はさらに充実させ、インディペンデント雑誌『HIGH(er) magazine』の編集長であり、アーティストのharu.さんとともに新たな音声コンテンツの配信を予定しています。
先ほどの「Color of time」の話ともつながりますが、「五感」でここちよさを感じられることも大切にしています。通勤や通学、家事をしながら聞いていただき、「耳」からも元気をお届けできたらいいな、と思っています。
常識にとらわれずに、新たな価値を創造しつづける
―――サイトをローンチしたばかりではありますが、目下の課題についてもお聞かせください。
ターゲットを「生活者」という広い範囲で設定したとお話ししましたが、その狙いは商品を購入する・しないにとらわれない、ブランドとの関係人口を増やすことです。そのためにはコンテンツで瞬間的に話題性を生むことよりも、「スマートエイジング®な社会を共に実現したい」と思ってくださる共感や賛同の気持ちを育んでいくことが大切です。
そうした「関係人口の広がり」は数値化が難しいため、PVやサイト訪問数、UGC(SNSなどのユーザー投稿コンテンツ)発生率などは追いつつも、一般的なメディアとは異なる指標が必要になってくる。そのため、どのようなKPIで捉えて評価していくかは課題のひとつです。
それと並行して、コンテンツの独自性を高め続ける必要性を感じています。昨今は企業がオウンドメディアを持つことも一般的になり、各社が価値の高く面白いコンテンツの制作に鎬(しのぎ)を削っています。そのような中でオルビスのことを知って好きになっていただく、価値を感じていただくためにも、差別化という目線でよりシビアに追求しなくてはいけません。
加えて、このサイトが目指すのは「生活者」に寄り添い、つながりを育む「コミュニケーションハブ」になることです。コンテンツの提供側と読み手といった一方通行の関係ではなく、今後はコンテンツに触れてくださった方々と、よりインタラクティブな関係性を築く仕掛けを取り入れていきたいですね。
「常識にとらわれない視点から、日常文化を美しく創造しつづける。」というのがオルビスのブランドビジョンです。
オルビスは、創業当時は業界内でまだ珍しかった通販無料電話を導入したり、通信販売が主流ではなかった時代に商品の無料サンプルをご用意するなど、常にお客様一人ひとりのニーズを汲み取りさまざまな取り組みを行ってきました。また、肌に合わなかった品物は、開封後でもオルビスが返送料を負担して返品、交換も対応するなど、まさに“常識にとらわれず”にお客様の視点に立ち続けてきたブランドです。
2023年の今も、引き続きチャレンジングな姿勢を持ち、生活者の方々の日常をどう豊かにできるのか。この視点は常に意識しています。
こればかりは、机の上で絵を描いていても始まらない。どのようなコンテンツ・目標設定だと生活者の皆さまとオルビスが共に喜び合えるのか、意識変容・行動変容の進路も含めた設計を、トライアンドエラーしながら模索し続けていくしかありません。
「ORBIS IS」は、直訳すると「オルビスは……」と主語の後ろをあえて空白にしています。それは「何者にもなれる・何でもできる」というメッセージ。ファーストビューに表示される、「ORBIS IS」の後ろに続く「|」の記号は、Wordなどでテキストを入力するときのイメージで、「オルビスは……」の後ろに好きな文字を打てる余白があることを表現しています。オルビスの思想や描く未来に共感する人々と、これからのオルビスを共に創っていきたいという思いを込めて名付けました。
未来のお客様、未来の社員、未来の協業パートナーとともに創るオウンドメディア「ORBIS IS」がどんな進化を遂げられるのか。前例のない挑戦に飛び込んでいく覚悟で、私自身も思いきり楽しみたいと思います。
取材・文:木内アキ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
オルビスでは現在、一緒に働く仲間を募集しています。少しでも興味をお持ちいただいた方は、ぜひこちらからご連絡ください。
皆様のご応募、お待ちしております!
※本記事内容は、公開日(2023年6月14日)時点の情報に基づきます。
Profile
髙松勇太(Takamatsu Yuta)
経営戦略部 経営戦略グループ担当マネジャー。2015年にオルビス入社後、システム部門でECサイトの設計などに携わる。18年より経営戦略部に異動、23年より経営戦略グループ担当マネジャーに就任。同年より「ORBIS IS」 タスクフォースのリーダーを兼務し、新メディアのディレクションを担う。