リアルな経営課題に挑む。オルビスのマーケティングインターンとは
JOB&CULTURE
こんにちは、採用広報の仁尾です。
オルビスでは学生の皆さんを対象に、「経営課題の最前線」に挑むインターンシップ を開催しています。
今回ご紹介するのは、経営直下組織「社長室」が主催する、事業戦略立案インターン。社長室は、オルビスのブランド・事業・組織を横断し、全社の経営課題に向き合う戦略部門であり、いわば社内の経営コンサルタントのような存在です。
たとえば、新たな市場と販売チャネルの拡大という両面での挑戦となった『オルビス ザ クレンジング オイル』のローンチでは、商品企画、PR、BtoB事業、直営店舗、CRM、など重要部門の代表者からなるタスクフォースを横断的に統括。各部署の最適解をブランド全体の方向性と整合させ、意思決定の指揮をとりました。
また、コールセンターを活用したカスタマーエクスペリエンス(CX)向上のプロジェクトといった、事業の根幹を支える中長期のテーマにも取り組んでいます。
会社の未来にとって重要なミッションを、経営や各部署のキーマンと連携しながら推進する。それが社長室の担う役割です。
そんな社長室の“リアル”を学ぶインターンのミッションは、オルビスの中期経営計画の一端を担う「売上700億規模のブランドへと成長するための事業戦略の立案」。実務さながらに経営課題の抽出から戦略立案までを体験するプログラムです。
元戦略コンサル出身の社長室マネジャーはもちろんのこと、CX・CRMを統括する事業部長からも直接フィードバックを受けながら、経営視点の課題解決力や実践的なビジネスフレームワークを体得できます。
記事を通して、経営課題解決の実践力を鍛えるオルビスインターンの魅力を知っていただければと思います。ぜひ最後までご覧ください。
ミッションは、「売上700億規模のブランドへと成長するための事業戦略」
今回参加したのは、全国から選抜された大学生・大学院生。コンサルティング企業でのインターンや、新規事業の立ち上げに携わった長期インターン、学生団体で成果を上げてきたリーダーなど、マーケティングの視点とリーダーシップを兼ね備えた多彩なメンバーが揃いました。
彼らのミッションは、「売上700億を目指し、リピーターの売上構成比を70%に高めるためのCX戦略を立案」すること。このテーマを発案したのは、経営直下で全社戦略の立案・推進を担う社長室マネジャーの安井。社長室は、ブランド・事業・組織を横断し、オルビスの進化を牽引する、つまり経営の意思決定を支える司令塔としての役割を担っています。
なぜ「リピーターのお客様」なのか?経営視点から学生に託された問い
テーマに込めた意図について、社長室マネジャー・安井が語ります。
「日本市場は人口減少フェーズに入り、単に新規顧客を獲得するだけでは持続的な成長は難しい状況です。どれだけのお客様と“長くつながり続けられるか”。その問いが、あらゆるブランドにとって極めて重要な経営テーマとなっています。
だからこそ、オルビスは、経営の最重要指標として『LTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)』を据えています。これは、一人のお客様がブランドに対してどれだけの価値をもたらしてくれるかを表す指標であり、『どれだけの頻度で、どれくらいの期間、どれくらいの金額を使い続けてくれるか』という3つの要素で構成されます」
「DtoCブランドとして創業したオルビスは、常にお客様と直接向き合い、価値を生み出してきました。現在では、通販、直営店舗、カタログ、アプリ、コールセンターなど、多様な顧客接点を駆使し、ブランドを進化させ続けています。今回のミッションは、全体をどう組み合わせて顧客体験価値を最大化するかを構想する“事業立案”です。2029年に売上700億規模のブランドへ進化するために、全体最適の視点で戦略を構想し、事業をドライブする経験に挑んでもらいます」
参加者は4つのチームに分かれ、3日後の最終提案に向けて戦略立案に挑戦します。オルビスの未来を一緒に考える、社長室の一員としての挑戦が、いよいよスタートです!
「誰」のどのような課題に向き合うのか?議論を重ねる初日
初日に取り組んだのは、戦略の土台となる「ターゲット像」の設定です。
各チームはまず、内部・外部環境の分析から着手。オルビスの強みや市場環境、顧客データをもとに、「どんな生活者が、どんな悩みを抱えているのか」という仮説を立てていきました。こうした学生たちの議論を支えるのが、各チームにメンターとして伴走する事業部長です。
オルビスのインターンでは、日頃から経営課題に向き合うマーケティング領域の事業部長がメンターとして入り、戦略の実現性を見極めるべく、学生の提案に向き合います。
事業を担う立場から、課題設定の甘さや論点のズレを指摘する環境は、まさに実務さながらです。
メンターから繰り返し伝えられたのは、「お客様像が広く曖昧なままでは、どのブランドでも提案できる内容になってしまう。誰の、どんな悩みを、オルビスのどんな強みで解決するのか。それが見えなければ意味がない」という言葉です。
創業以来、ダイレクトマーケティングを軸に事業を拡大し、顧客データを蓄積してきたオルビス。私たちが重視しているのは、購買に至った「因果関係」を紐解くことです。性別や年代といったデモグラフィックデータは、あくまで購買に至るまでの「相関関係」に過ぎません。本当に重要なのは、どのような悩みや価値観を持つ人が購買に至ったのかを導き出すこと。
お客様がなぜその選択をするのか。時にはお客様自身も気づいていない理由を見つけ出し、一人ひとりに寄り添う体験を生み出す――それがオルビスのマーケティングです。
インターンでは、こうした「顧客理解」と「データ分析」の視点を行き来しながら、一人ひとりのお客様の本質的な課題を捉え、解決策を生み出す力が求められます。
議論の途中、仮説を一度白紙に戻し、ターゲット像や課題の設定をゼロから組み立て直すチームの姿もありました。メンターから投げかけられたのは、「ターゲット像が具体的であるほど、戦略の実現性は高まる。その精度が、提案の説得力を決める」という言葉。学生たちはその言葉を胸に、より鋭い仮説を練り上げるべく、2日目に挑みます。
ターゲットの本音に触れ、戦略が動き出す2日目
2日目は、初日にメンターから受けたフィードバックをもとに、ターゲット像と戦略の「深さ」を追求する一日。「戦略の質は、課題設定で決まる。いま持っている仮説が本当にターゲットの本音に基づいているのか、一度問い直してみて欲しい。課題に対してどんな問いを立てるか次第で、導き出されるソリューションが変わる。だからこそ、問いの立て方に徹底的にこだわって欲しい」
メンターからの言葉を胸に、学生たちは自分たちの仮説が正しいのか確かめるため、ターゲット層に近い家族や友人にZoomや対面でインタビューを実施。定量データだけでは見えなかったターゲットの本音が少しずつ見えてくることで、その課題を解決するためのソリューションが少しずつ具現化されていきました。
それでも、一度形にした企画に対してメンターから再び「まだ浅い」と指摘され、頭を抱える様子のチームも。徐々に道筋が見えてきてから、学生たちの表情も少しずつ晴れ、議論も前向きにヒートアップしていきました。
社長室マネジャーへの最終発表!各チームが描く未来とは?
いよいよ迎えた最終日は、社長室マネジャー・安井への戦略提案です。各チームの提案は、理想論ではなく、市場環境や競合動向を分析し、実際のお客様の声をもとに仮説を検証し導き出したもの。新しい成長の可能性を描くという難題に挑み、提案直前まで考え抜いた戦略を、堂々とプレゼンしました。
栄えある優勝に選ばれたのは、メンズ市場への拡大戦略を提案したグループ! 自身の親世代をターゲットに設定し、一次情報に基づきペルソナを深掘りするだけでなく、ブランドの強みを軸に市場機会の実現性を検証。さらに、オルビスが持つお客様接点=チャネルをフル活用し、地に足の着いた施策にまで落とし込んだ点が高く評価されました。
発表後、安井からは各チームの提案に対し、実務さながらの鋭いフィードバックを実施。
「そのターゲット設定で市場規模に見合ったシェア・売上を確保できるのか」「顧客ニーズの深掘りは、実際の行動データで検証されているか」といった問いに加え、「コスト構造とKPI設計の整合性は取れているか」「競合優位性を持続的に確保できるか」といった、戦略の説得力と現実性を突き詰める指摘が続きました。
学生たちの表情には、やり切った達成感とともに、自らの課題に気づき、次の目標を見据える意志が感じられました。
社長室マネジャーが語る、コンサルティングファームと事業会社の「経営課題」の違い
続く座談会では、学生からの質問に応えながら、社長室マネジャーの安井が経営の現場で感じたリアルを語るひと時に。
多くの学生から寄せられたのは、「なぜコンサルティングファームからオルビスに?」という問い。安井はこう振り返ります。「コンサル時代は、短期間で多様な業界に入り込み、論理的フレームを駆使して最適解を提案する。その環境は刺激的で、スキルを磨くには非常に有効でした。一方で、戦略の実行や成果を見届ける前にプロジェクトが終了するため、お客様との距離や他人事感が残り、徐々に物足りなさを感じるようになったんです」
「良し悪しではなく、自分に合うかどうか」と語る安井が選んだのは、自らの決断と行動に責任を持ち、長期的に事業を動かす、オルビスの社長室でした。
「コンサルは、再現性のある論理的フレームに基づき、一定の条件下で通用する戦略を描く。一方、オルビスではお客様の一次情報に基づき、定石にとらわれず最適解を探索します。正解が一つに定まらないからこそ、面白い。
また、オルビスは、企画から販売までのバリューチェーンを自社で持ち、各部署が高い専門性を発揮しています。それぞれが導き出す“局所最適”をどう“全体最適”へと統合し、ブランド価値を守りながら成長を実現するか。新卒1年目から、事業の川上から川下までを俯瞰し、経営に直結する戦略を描けるのは、このポジションならではの醍醐味だと思います」
最後に、学生の皆さんへのメッセージを語ります。
「数字に裏付けられた正確さと、関係者全員が納得できるストーリー。その両方を実現することが、事業戦略の本質だと考えています。すべての関係者が腹落ちし、実行に移せる事業戦略を描く。それが社長室の役割です。皆さんが、数年以内にオルビスの中核を担う人材になってくれることを楽しみにしています」
経営の現場に立つ安井のリアルな言葉と、その視線の先にある期待に、学生たちは真剣な表情で耳を傾けていました。
“お客様起点”の本質に触れた学生たちの声
社員の方と壁打ちを重ねる中で、顧客像の深掘りや課題設定の甘さを何度も指摘され、自分の至らなさを痛感した。それでも最後にチームで作り上げた戦略には、「市場での勝ち筋とお客様への提供価値を両立した戦略」だとフィードバックをもらえて手ごたえを感じた。
化粧品には興味が無くて、事業会社の中のコンサルポジションということで興味を持って参加した。コンサルティングのフレームワーク中心のインターンよりも難しいし面白かった。事業のリアルに踏み込む貴重な経験が出来た。
これまで企画系のインターンに参加したことはあったが、ここまで“お客様の人生に寄り添う視点”を徹底して求められる経験は初めて。メンターの方々も、「どうしてそう思うのか?」と私たちの中から答えを引き出してくれるのが印象的で、社内カルチャーが垣間見えた気がした。
自分たちが決めたターゲットの方々に実際にインタビューし、その生の声をもとに戦略を磨いていくプロセスは、本当に泥臭く、でも楽しかった。仮説と違う現実に直面した時こそ、本質的なインサイトが見えてくる、という感覚を味わえた。
オルビスのマーケティングの本質に触れた3日間
インターンを通して、学生たちは「売上を上げるための施策」ではなく、誰の、どんな課題に対し、オルビスのどんな強みで応えるのかという本質的な問いに、徹底的に向き合い続けました。
現状データや机上の仮説では見えない「お客様の本音」を探り出し、「オルビスだから提供できる価値は何か」「その戦略は誰に、どんな変化をもたらすのか」という問いを、ロジカルかつ具体的に掘り下げ、戦略を構築していく。お客様の声に耳を傾け、実現可能性まで考え抜きながら、長期的なブランド価値を生み出す。それが、オルビスが大切にしてきた「LTV経営」の本質であり、社員一人ひとりが担う戦略思考です。
そして、こうした本質的なマーケティング・経営課題に、新卒1年目から挑戦できる環境がオルビスにはあります。
戦略のフレームワークにとどまらず、その先にあるお客様のリアルに向き合い、オルビスならではの豊富なチャネルを活かして事業インパクトを最大化する。そんな本質的な戦略立案に挑みたい方は、ぜひオルビスのインターンに参加してみてください。
▼「社長室」を立ち上げたボードメンバーと、マネジャー安井の対談も是非ご覧ください。
『オルビス「社長室」の挑戦。新設の裏側、部署横断で新しい価値を生み出すために』
▼現在、27卒新卒向け・新マーケティング職確約インターンの参加者を募集中です。こちらからご応募ください。
取材・文:仁尾明美