2025.11.27

“お客様が見えてくる”瞬間の面白さ。データ分析から施策実行まで一気通貫で挑む、オルビスCRMの舞台裏

PROJECT

JOB&CULTURE

 ORBIS

こんにちは。採用広報の仁尾です。
お客様との深い関係構築を大切にしているオルビスにとって、CRMは事業の中核を担う重要な領域です。蓄積された豊富な顧客データを活用して、一人ひとりのお客様に寄り添うコミュニケーションを実現し、長期的な関係を築いていくことを目指しています。
今回お話しを伺ったのは、CRM部門のOne to Oneグループでリーダーを務める佐藤ありささんです。もともとは新卒で大手ポイントプログラムの運営会社に入社し、法人営業・マーケティング支援に従事していました。2023年にオルビスへ転職、現在はお客様の購入促進にまつわるディレクション業務を担当しています。
支援会社時代、仕事に対して疑問や課題を感じていたという佐藤さん。オルビスへの転職によってそれらは解決されたのでしょうか。また、事業会社のCRMにおけるやりがいや成長実感も合わせて語っていただきました。

※CRM(顧客関係管理):顧客満足度を高め、長期的な関係を築くためのマーケティング


お客様の顔が見えるマーケティングを求めて、オルビスへ

——最初に、現在のお仕事内容について教えてください。

現在はCRM部門のOne to Oneグループに所属し、ポイント付与やキャンペーンといった目の前のベネフィットではなく、オルビスの強みであるスキンケアでお客様と長く、深くつながる関係性づくりを目指しています。

主にR3顧客維持(直近3か月以内に購入したお客様に対する継続購入のアプローチ)のため周期購入を促すコミュニケーションやスリーパー復活施策(長期間購入のないお客様への再購入アプローチ)、それに付随する顧客分析、メルマガ・LINEの構成案の作成などを含めた施策ディレクションを担当しています。


——オルビスに転職する前は、支援会社でマーケティング業務に従事していたそうですね。

大手ポイントプログラムの支援会社に新卒で入社し、5年間働きました。具体的には、プログラムを導入している提携企業に向けて、 ポイントデータを活用して提携社の収益向上につなげるためのマーケティング支援をしていました。

このとき、主に担当していたクライアント から、とりわけ化粧品類にまつわるキャンペーンのご依頼を多くいただきました。化粧品は購買サイクルが短く、マーケティング施策の効果が早期に確認できるのが特徴です。このときの経験を通じて化粧品領域のCRMが面白くなり、お客様の声に基づいたマーケティング施策に挑戦したい気持ちが高まっていきました。ですが、同時に自分の置かれている現状に課題も感じるようになって、転職を考えるようになったんです。

——課題とは具体的になんだったのでしょう。

ひとつは、お客様にとって最善のマーケティングがやりきれない点です。施策を行う場合、まずはクライアント企業に現状の課題をヒアリングし、そこに我々支援会社が持つ情報を加えて提案をつくるのですが、提案が採用されたとしても、 施策実行後にクライアントの中でどのような成果があったのかを正確に把握するには限界があります。フィードバックはもらえても、あくまで担当者の主観を含んだ 共有のため、純粋にデータに基づいて「本当のお客様の課題」を掘り下げられませんでした。

また、スピード感を持って取り組めないことも課題でした。施策を企画する人、分析を担当する人が社内で分かれているため、ひとつの仮説検証をするのでも、必要なデータの抽出依頼をして実際に取得するまで相当な時間を要します。もし自社にないデータがあればクライアント企業への情報提供依頼も必要で、多大なコミュニケーションコストが発生していました。

このように、支援会社ができることには限界があり、私が本来したいマーケティングができないと痛感したことが、次のキャリアを考えるきっかけになりました。


期待を超えるデータドリブン環境で、仕事の裁量も拡大

——実際にオルビスに入社されて、期待していた環境は整っていましたか。

期待を大きく上回る環境でした。最も大きな驚きは、施策を企画する担当者が、データ分析も含めてすべてを一気通貫で手掛けられることです。たとえばオルビスでは、施策実行中、完了後と、お客様の声がリアルタイムで届く仕組みが整っていて、「このキャンペーンは内容が分かりにくいというご指摘が多い」「この施策は非常にご好評をいただいている」といった具体的なフィードバックを得ることができます。

また、「こういうデータがあれば、この仮説が検証できるかもしれない」と思いついたら、豊富なデータの中から自分ですぐに抽出できます。その結果を基に、施策の立案はもちろん、メルマガやLINEの構成をつくり、効果を測定するところまで責任が持てる。仮説が外れたとしても、すぐに別角度からアプローチできるため、施策の課題設定から実行、検証までのスピードが格段に向上しました。

——一方オルビスでは、担当部門が細分化されている特徴があります。経験の幅が狭まるかもしれない、といった懸念はないですか?

実感としては真逆で、むしろ経験の幅が広がるな、と。確かにチーム単位での役割分担は明確ですが、業務範囲に制約はないので、専門性を深めたければそこに集中することもできます。ミッション達成のために必要だと思えば、部署間の連携もさかんなので幅広く協働することも可能です。また、部署横断メンバーによるプロジェクト(タスクフォース、以下TF)も兼務できますから、予想していた以上に自由度が高い環境ですね。

——入社してすぐにTFを兼務されたと聞きました。

はい。スキンケアシリーズ「クリアフル」のTFで、クリアフルを購入いただいたお客様に、継続的なご愛用を促す施策づくりに取り組みました。それまで一定期間、シリーズがリニューアルしたため、まずは愛用者に認知を広げる施策に注力をしていましたが、今後はより関係性を深める施策に転換してもいいのではないか、と考えたんです。

ミッションを共有する別部署とも連携しながら、定期購入のメリットをしっかりと打ち出すキャンペーンや広告の見せ方を変更した結果、定期購入の比率が大幅に向上し、短期間で明確な成果を出すことができました。入社3カ月という早期に、これだけの責任と裁量を持たせてもらえたうえ、自分の提案が実際に形になると実感できたことは、マーケティングの仕事に取り組むうえでひとつの転機だったと思います。


お客様が“見えてくる”瞬間に面白さを感じる

——仕事の中で、やりがいや面白さを感じるのはどのような瞬間ですか。

お客様の姿が“具体的に”見えてくるときです。たとえば前職だと「R6(直近6か月以内に購入したお客様)」が対象であれば、R6一律のアプローチを行っていました。ですがオルビスでは同じR6でも、購入商品の履歴までより詳細に分析できます。スキンケア商品をまとめ買いされる方、メイク商品を購入される方など、同じR6でも、購入理由や商品への関わり方が明確に異なるのが分かるんです。

こうした分析を通じて、「この商品を購入されるお客様は、こうした特徴や嗜好をお持ちのようだ」という具体的なペルソナ像が掴めるようになる瞬間が、最もやりがいを感じる部分ですね。以前の画一的なコミュニケーションから脱却し、どうすればより効果的な施策立案につながるか、深く検討しやすくなりました。

——そうした分析から、印象的だった発見があれば教えてください。

オルビスの主力スキンケア商品である「オルビスユードット」と「オルビスユー」、2つのシリーズでR値別、購入方法別にテストをしたときの発見でしょうか。この2シリーズは共通のお悩みに対応できる部分があるため、お客様も重なる面があります。ですがテストの結果、オルビスユーでは定期購入への誘導が効果的である一方、ドットシリーズでは通常購入で5、6か月後にコミュニケーションを取る方が効果的だったんです。この結果から、オルビスユーを選択されるお客様は、より商品に愛着が深い方が多いということが見えてきました。

つまり、共通のお悩みに対応できる商品であっても、それを選ぶお客様の特性や購買行動は異なるということ。この発見により、定期購入への誘導施策においても、シリーズごとの異なるアプローチ方法を展開する視点が深まりました。

お客様に寄り添うマーケターとして、心に届くコミュニケーションを

——佐藤さんが考える理想のマーケター像について教えてください。

お客様像を解像度高く描けることが理想的なマーケターではないか、と。もちろん、オルビスはすべての方に寄り添うブランドですが、マーケティング活動においては、コミュニケーションを「すべての方向け」に設定してしまうと、かえって「これは誰のための商品なんだろう?」と思われてしまうことがあります。なので、個々の施策では「特にこういう方に届けたい」という具体的なターゲット像の軸を明確に設定し、その方に向けた施策を実行することで、結果的により強く響く施策が生まれます。

そうして、お客様に「この企業は私のことを理解してくれている」と感じていただけるような、心に届くコミュニケーションを実現できるマーケターが、企業にとっても社会にとっても価値ある存在だと思います。


——オルビスの環境を活かして、今後どのようなことに挑戦したいですか。

現在はデータ分析が業務の中心ですが、オルビスにはアンケート調査や行動モニタリング、お客様インタビューといった多様な調査手法が整備されているので、これらも積極的に取り入れながら、さらに分析の幅を広げていきたいですね。今は購入チャネルが自社のEC以外にも、多角化しているからこそ、なおさら深掘って理解していく必要があります。 お客様の行動や声、認識を知ることで、データで見るお客様グループを具体的な個人像として思い描けるレベルまで解像度を高めていきたいです。


Profile

佐藤 ありさ(Arisa Sato)

CRM部門 One to Oneグループ所属。新卒でポイントマーケティング支援会社に入社し、5年間法人営業・マーケティング支援に従事。2023年にオルビスに中途入社、現在はR3顧客維持、スリーパー復活施策等を担当。メルマガ・LINEの構成案、顧客分析、施策ディレクションに取り組み、データ分析から施策実行まで一気通貫で推進している。


取材・文:木内アキ


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

オルビスでは現在、一緒に働く仲間を募集しています。少しでも興味をお持ちいただいた方は、ぜひこちらからご連絡ください。
皆様のご応募、お待ちしております!

※本記事内容は、公開日(2025年11月27日)時点の情報に基づきます。

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