2021.11.15

2018年からの3年を振り返る、リブランディングのこれまでとオルビスの未来とは

PROJECT

JOB&CULTURE

 ORBIS

こんにちは。オルビス公式ブログ担当の土井山です。

2018年、オルビスがリブランディングに舵を切ってから約3年が経ちました。 今回はリブランディングの要でもある“商品”から改革を牽引してきた、執行役員 商品・QCD担当の西野英美さんが登場します。

西野さんは、2018年から商品企画部長として、「オルビスユー」や「オルビス ディフェンセラ」といった、オルビスのこれからを担う象徴商品を成長させてきました。ですがその裏側には、社内の意識を変えるための地道な働きかけなど苦労も多かったと語ります。 リブランディング成功の背景や、今後のオルビスが目指していくものを詳しく聞きました。






リブランディングのもっとも大きな変化とは



――2018年から始まったリブランディングでは、どんなことが行われてきたのでしょうか。改めてその背景についても教えてください。



オルビスは1987年の創業から、カタログを中心とした通販会社のパイオニアとして成長してきました。ですが2018年に小林が社長に就任してからは、従来のビジネスモデルから脱却し、スキンケアを中心としたビューティーブランドとして、お客様と長期的な関係性を築けるブランド作りを行ってきました。

2018年当時の私の役割は、商品企画部長として「ブランドの思想を体現する商品」について年間の計画を立てながら、戦略的に商品を打ち出し成功させることでした。



――リブランディングでは、具体的にどんなことが変わったのでしょうか?

もっとも大きく変わったのは商品構築に対する意識です。それまでは、化粧品、健康食品、ボディウェアなどそれぞれの担当者が、その商品をいかに輝かせ、お客様に購入していただくかを重視して企画を開発してきました。定期的にお客様にお送りする通販カタログのなかで商品が埋もれないようにすることに必死で、デザインやカラーも赤や紫など様々な商品がありました。反面、ブランドとしての世界観の統一は意識されていませんでした。

2018年からは、オルビスの提供価値である、多様な美のあり方を提案する「スマートエイジング®」や、我々が大切にしてきた「肌が本来持つ力を信じて、引き出す」という考え方を背負わせながら商品を構築することを徹底しました。その思想をもっとも色濃く反映しているのが「オルビスユー」です。





――リブランディングの成果について、西野さんはどう見ていますか?

商品軸では、「2020年までの3年で世界観を完成させること」を目指してきました。結果として、このスピード感でここまでイメージを変えられたり、数字面でも結果が残せたことは大きな成果だと思っています。「オルビスユー」は発売からわずか2カ月で異例の販売累計67万個を突破し、これまでのスキンケアシリーズの最高売上記録を更新。続く「オルビス ディフェンセラ」も発売直後から人気を集め、1アイテムで約1年で約100万個、約26億円の売上を記録しました。

また、これら象徴商品が美容誌をはじめ多数のメディアの「ベストコスメ」を受賞したのも大きな変化でした。2017年当時、当社のベストコスメ受賞数は全商品を対象に2つだけだったのが、2018年は「オルビスユー」だけで36も受賞したんです。世間からも評価された実感と共に、2020年には新規のお客様の獲得数がここ数年のなかでも最高記録となりました。

ブランドの歴史を捨てるのではなく、原点に立ち返る



――リブランディングの大きな変化に伴い、部内や社内から様々な声が上がったと思います。当時を振り返っていかがでしたか?

「オルビスユー」がヒットするまでは、自分たちの取り組みに確証が持てなかったことや、既存のお客様がリブランディング後もついてきてくれるのかといった不安がありました。今までやってきたことが否定されるような気持ちが混ざり合っていたんだと思います。

最初の頃は「まず私たちが先陣を切って働きかけないと」と、商品企画部の合言葉を「Follow Me(フォローミー)」にしていました。でも後ろを振り返ってみても誰もついてきていない時期がありましたね。



――社員の気持ちがついてきていないと気づいた時、どうしたのでしょう。

改めて、リブランディングとは「これまでとは全く違うことをやる」のではなく、「オルビスの原点に立ち返ってさらに強化していくこと」だと社員に伝えていきました。

商品企画部として行ったのは、創業当時からのカタログを洗い出して社員に見せることでした。すると、オルビスが18年から掲げている「スマートエイジング®」という提供価値は、創業当初から全くぶれていないのが分かるんです。初代「アクアフォース」のコピーには「肌本来の機能を取り戻す」とありますし、2009年の「AQエキストラスマートエイジング」のコピーのひとつに「スマートエイジング®」という言葉が出てきます。

そうした取り組みを通じて、オルビスは創業以来「肌本来の力」を信じ、引き出していくブランドであり、その先に「スマートエイジング®」という提供価値があること。全てが繋がっていると理解してもらうことを徹底しました。2018年の「オルビスユー」発売後に成果がついてきてからは、全社が一丸となって、躊躇なくアクセルを踏めようになりましたね。



【写真左】2019年発売、飲むスキンケア「オルビス ディフェンセラ」

【写真右】2018年にリニューアルをしたエイジングケアシリーズ「オルビスユー」



組織改革のキーワードは「オープンマインド」と「未来志向」

――2018年のリブランディング以降、組織全体としてはどう変わったのでしょうか?

オルビスは、データマーケティングを強みとして成長してきた結果、蓄積されたデータやこれまでの成功体験のなかで、企画や物事を判断する文化が根強くありました。効率的で合理的ではあるものの、数字に頼りすぎると「これはデータがないから」と、新しい挑戦ができなくなります。

そこで2018年以降、第二創業期として自然と新しい挑戦が生まれる組織作りを目指し、「オープンマインド」と「未来志向」を掲げてきました。これまでもお話した通り、改革直後には不安や不満を抱える社員は少なくなかったものの、HRが組織側の改革を舵取りし、社員の行動指針「オルビスマネジャースタイル」の創出や、浸透させる取り組み、加えて評価体制を整えたことで、組織の空気感は大きく変わりました。

例えば当時入社3年目の社員が、ニキビケアライン「クリアシリーズ」に抱いた課題感を私に相談してきたことがありました。経営に自らプレゼンする機会を経て、現在は同シリーズのプロジェクトリーダーを務めています。また、メンズスキンケアブランド「Mr.(ミスター)」シリーズを立ち上げた社員は、単なるメンズ商品のラインナップ拡充にとどまらず、マーケティング戦略からブランディング、商品企画まで一気通貫する、部署横断型のプロジェクトとして同シリーズを牽引しています。

これまでのオルビスは、目の前の仕事を淡々と仕事をこなす社員が多かったです。効率優先の縦割り組織で、他部署で何が起こっているかもわからないというのが正直なところでした。ですが今では、「スマートエイジング®」という提供価値のもと、年齢や立場を問わず、時には部署も越境しながら新しい取り組みが生まれるようになりました





一人ひとりが自分らしく生きられる「社会」や「組織」を作る



今後は、ブランドの未来や本当の意味での多様性を実現するために、社員一人ひとりが持って生まれたものを生かし、最大化できる組織を目指していきたいです。「スマートエイジング®」を体現する企業として、好奇心をもって世の中に問いを立て、挑戦できる組織であるために、人・ブランドともに進化し続ける。多様な人がいて様々なシナジーが生まれる会社であることが、ブランドの価値も最大化できるのではないでしょうか。



――最後に、オルビスが目指す未来について教えてください。

市場やお客様から選ばれるビューティーブランドを目指し確かな手ごたえをつかんでいるので、今後は「スマートエイジング®」という大きな傘のもと、よりお客様一人ひとりの悩みやニーズに寄り添う商品、体験づくりを目指します。

2021年にオルビスの「未来の価値を創る」新規事業開発グループを創設しましたが、これはスキンケアや化粧品といった既存の経営資産にとどまらず、多角度的にお客様のニーズに対応したいという意思表明です。「スマートエイジング®」の共感者を増やし、自分らしく生きられる社会を実現するために、まずは商品やサービスが先陣を切って、新しい選択肢や価値観を提供していきたいと思っています。



取材・文:都田ミツコ



※本記事内容は、公開日(2021年11月15日)時点の情報に基づきます。


Profile

西野 英美(Nishino Emi)

2002 年 オルビス株式会社入社。スキンケア、メイク、メンズ、海外ブランドと多岐に渡る商品企画の経験を持ち、2014 年発売のブランド の基幹スキンケア『オルビスユー』の初代ブランドマネジャーを務める。その後、原価・開発管理のマネジャー、新規獲得プロモーションのマネジャーとキャリアを重ね、2018 年より商品企画部長に就任し、スキンケアを軸とした商品強化を指揮。2020年より執行役員就任。2021年より、新規事業領域を管掌下におき、オルビス初のパーソナライズスキンケアをローンチするなど、未来に向けたブランド成長戦略を描く。

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